研究課題/領域番号 |
07557021
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牟田 達史 九州大学, 理学部, 助手 (60222337)
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研究分担者 |
田中 重則 生化学工業(株), 試薬診断薬事業部, グループリーダー(主
川畑 俊一郎 九州大学, 理学部, 助手 (90183037)
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
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キーワード | β-グルカン / 異物認識 / 体液凝固 / 無脊椎動物 / カブトガニ / 真菌 / 検出法 / 生体防御 |
研究概要 |
まず、FactorGの両サブユニットのcDNAを昆虫細胞用のtransferベクター内に挿入し、これをbaculovirusDNAとともに昆虫細胞にtransfectionし、homologous recombinationによりcDNAを含む組み換えvirusを作製した。このvirusを昆虫細胞に感染させ、細胞および培養上清中に含まれるタンパク質をSDS電気泳動によって検討したところ、両サブユニットについて予想される分子量の位置にバンドが観察された。さらにこのバンドを各サブユニットに対して特異的な抗体を用いてWestern blottingを行ったところ、それぞれサブユニットα、βそのものであることが確認された。 こうして得られたサブユニットαを用いて、その多糖結合活性を検討したところ、サブユニットαは単独でlaminarinなどのβ-グルカンに結合する活性を示した。そこでサブユニットαの特徴的な三つのドメインをそれぞれ発現させ、多糖結合活性をみると、C末端のXylanaseZ様ドメイン内にβ-グルカン結合活性が局在していることが証明できた。 本年度は当初の目的どおり、両サブユニットの昆虫細胞内での発現に成功し、さらに発現したサブユニットα、およびその各ドメインを用いて、多糖結合ドメインがサブユニットα内のXylanaseZ様ドメイン内に存在することが初めて証明できた。この多糖に結合するドメイン構造をさらに細かく検討することにより、β-グルカン認識にかかわる最小のポリペプチド構造が明らかにできると期待される。
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