研究課題/領域番号 |
07557023
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
内田 俊和 日本大学, 医学部, 助教授 (80060078)
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研究分担者 |
前田 俊郎 三菱化学(株), 診断システム, 副主任研究員
荒川 泰行 日本大学, 医学部, 教授 (50059698)
杉谷 雅彦 日本大学, 医学部, 講師 (40187654)
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キーワード | B型肝炎 / B型ウイルス / 血清ウイルスマーカー / X遺伝子 / X蛋白 |
研究概要 |
実際はB型肝炎ウイルスに感染していながら、急性肝炎ではHBs抗原とHBc IgM抗体が陰性、慢性肝炎ではHBs抗原が陰性のB型肝炎が存在することを偶然発見した。そこでその分子機序を解明し、このサイレントB型ウイルスの診断系を新たに開発することが今回の研究の目的である。そのために本年度は次のようなことを試み一定の成果を得た。 1)サイレントB型ウイルスの全塩基配列を明らかにした。その結果、B型ウイルスに感染していながら、血清マーカーが陽性にならないのはウイルスのX遺伝子に共通して8塩基の欠失があるためと判明した。 2)このサイレントB型ウイルスの全遺伝子をクローニングし、full-genome HBV DNA dimer constructを作製した。野性型のHBVをコントロールにして、これを肝癌細胞由来樹立株であるHuh7細胞とKim1細胞にin vitroトランスフェクションし、培養上清中のHBs抗原とHBe抗原の定量を試みた。その結果、サイレントHBVは野性型HBVに較べこのふたつの抗原の産生と分泌に抑制がみられないことが解った。SouthernとNorthernブロッテイングはまだおこなっていない。 3)X蛋白の合成蛋白と発現蛋白に対するウサギのポリクロナール抗体を作製し、ELISA抗体測定系の準備をした。使用した合成蛋白は2種類で、 NH2-LSAMSTTDLEAYFKDC-COOHとNH2-DPARDNLCLRPVGAESRGRP-COOHである。一方、蛋白発現は全X遺伝子をプラズミドに連結し、大腸菌を用いて発現した。いずれも高タイタ-の抗体を得ることができた。
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