研究課題/領域番号 |
07557032
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鍔田 武志 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80197756)
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研究分担者 |
宮脇 茂樹 日本新薬(株), 分子生物学研究部, 課長
石田 博 国立療養所宇多野病院, 臨床研究部, 室長
本庶 佑 京都大学, 医学研究科, 教授 (80090504)
日合 弘 京都大学, 医学研究科, 教授 (10073131)
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キーワード | alyマウス / 自己免疫疾患 / 外分泌腺炎 / シェ-グレン症候群 / CD4陽性T細胞 / IL-10 |
研究概要 |
我々は、平成7年度に病理組織学的、また、免疫組織学的検索によりaly/alyホモ接合体マウスがヒトシェ-グレン症候群と類似の唾液腺炎、涙腺炎、および膵外分泌腺炎を来たすことを明らかにした。平成8年度はaly/alyマウスのシェ-グレン症候群に自己免疫機序が関与するかを調べるために、aly/alyマウスの脾細胞をリンパ球を持たないRAG2欠損マウスに移入し、シェ-グレン症候群が脾細胞でトランスファーできることを明らかにした。一方、このようなシェ-グレン症候群の発症はaly/+ヘテロ接合体脾細胞の投与では認められなかった。さらに、移入する細胞を種々のマーカーで分画しどのような細胞がaly/alyマウスのシェ-グレン症候群発症に関与するか検索した。その結果、、aly/alyマウスの脾臓T細胞のみ、あるいはCD4陽性T細胞のみの投与でもシェ-グレン症候群を誘導できるが、B細胞やCD8陽性細胞の投与ではシェ-グレン症候群を誘導できないことが明らかとなった。これらの所見は、aly/alyマウスのシェ-グレン症候群が自己免疫反応により誘導されることを示し、さらに、この反応で、CD4陽性T細胞が重要な役割を果たすことを強く示唆した。また、我々は、aly/alyマウスを用いてシェ-グレン症候群の治療法について検索を行い、抗IL-10抗体投与によりシェ-グレン症候群が改善することを明らかにした。この結果は抗IL-10抗体が自己免疫疾患の治療に有効である可能性を示唆した。
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