研究概要 |
1.ヘリウムガス置換方式による高精度人体体積計の設計と作成 1)予備実験による基本設計の見直し:基本原理に則って動物用チャンバーを製作しウサギを用いて予備実験を行い、ヘリウムガス濃度の連続測定を干渉する物理的条件を検証した。その結果、呼吸商の変化や温湿度の上昇に伴う誤差を補正すべく、測定容器内の酸素濃度、炭酸ガス濃度、水蒸気圧、気温を連続測定出来るように設計を変更した。またそれに伴って、容積計算ソフトを改良した。 2)プロトタイプの設計と製作:予備実験で得られたデータを基礎としてプロトタイプの人間用の体容積計を設計し作成した。[測定容器];初期の構想では2チャンバー方式であったが、ガス拡散の均一化をより簡便に行うために、精度の高いガス流入装置を用いた1チャンバー方式とした。チャンバーのサイズはW=1350,D=900,H=2200mmであり、ガスのリ-クを防ぐためにエア-タイトドア-を採用した。[H_eガス流入量の設定];高精度ガス流量計と、高速応答流量コントロラ-を組み合わせ、目的濃度になるようにH_eガス注入量を設定する。[H_eガスの拡散と濃度の測定];H_eガスの拡散はチャンバー上部に取りつけたシロコフアンによって行ない、チャンバー内3か所のH_eガス濃度が均一になった時点で計測を終了する。気圧、O_2、CO_2濃度、気湿、気温を同時に測定する。[データの収集];得られたデータはオンラインでコンピュータに入力され,演算処理される。 2.ヘリウムガス置換方式の妥当性の検証 プロトタイプの体容積計で被験者を実測するに際し、水浸法による体容積測定を同時に行い、両結果の比較からヘリウムガス置換方式の妥当性を検証し、高い相関が得られた。
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