研究課題/領域番号 |
07557035
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伊藤 雅夫 日本大学, 医学部, 助教授 (40059887)
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研究分担者 |
丸 瑠璃子 日本大学, 医学部, 講師 (20059091)
渡辺 直隆 日本大学, 工学部, 助教授 (20120595)
谷島 一嘉 日本大学, 医学部, 教授 (40010029)
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キーワード | 人体体積計 / ヘリウムガス置換方式 / 体容積 / 体密度 / 体脂肪 / 肥満測定 |
研究概要 |
1)体積計の設計と製作:前年度行ったプロトタイプにおける予備実験で得られたデータを基礎として人間用の体容積計を設計し作成した。[測定容器];ガス拡散の均一化をより簡便に行うために、精度の高いガス流入装置を用いた1チャンバー方式とした。チャンバーのサイズはW=1350,D=900,H=2200mmであり、ガスのリ-クを防ぐためにエア-タイトドア-を採用した。[Heガス流入量の設定];高精度ガス流量計と、高速応答流量コントロラ-を組み合わせ、目的濃度になるようにHeガス注入量を設定する。[測定方法](1)測定器を密封し、器内空気を撹拌しながらHeガスを注入する(Hω)。(2)Heガス濃度を計測器内の3点でモニターし、均一に拡散した時点におけるHe濃度(Hx)を計測する。(3)He濃度測定時における計測器内の絶対温度(T)、気圧(P)、水蒸気圧(Po)を計測する(酸素濃度、炭酸ガス濃度のモニターも行なう)。ここで、計測器の残気量をVaとすると。Hx=Vω/(Va+Vω)となり、Va=Vω(1-Hx)/Hxとなる。また、Vaを乾燥標準状態(Va')に換算すると、Va'=0.36Va(P-Po)/Tとなる。今ここで、体積Svの被検体を測定器内に入れた時の残気量をVs'とすると、被検体の体積は、Sv=Va'-Vs'として求めることが出来る。2)測定条件と測定精度:残気量とHe濃度との関係は双曲線を示しており、残気量の変化に伴うHe濃度の変化は測定器の容積が小さいほど鋭敏であり、同時にHe濃度が高いほど鋭敏となる。したがって、被検体の体積をより高精度に検出するためには測定器の容積をHeガスが均一に拡散できる範囲内で出来るだけ小さくし、さらに、Heガス濃度が高い帯域で計測する必要がある。被検体の体積が1l変化した時のHe濃度の変化量は測定器容積1000lの場合で0.01%、2000lの場合で0.005%となっている。0.005%は本試作機のHe濃度の測定限界であり2000lの測定容積で0.01%/lの測定精度を出すためにはHe濃度30%の帯域での計測が必要となる。3)水浸法との比較:容積既知の水袋を用いた場合、測定値との相関係数は0.994であったが、15名の被験者を対象に、本法と水浸法との比較を行なったところ、両者の相関係数は0.89であった。
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