研究分担者 |
吉村 澄孝 関西医科大学, 医学部, 助手 (70167005)
沖井 裕 関西医科大学, 医学部, 助手 (20121915)
綿引 利充 関西医科大学, 医学部, 講師 (70077692)
林 守正 (株)島津製作所, 応用技術部・係長, 研究職
赤根 敦 関西医科大学, 医学部, 教授 (70202520)
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研究概要 |
1 サーモスプレイ質量分析計に試料を導入するためには試料を噴霧するペ-パライザの目詰まりやイオン化室の汚染を極力なくすために移動相中に高濃度に含まれる塩類を取り除く必要がある.そのためには脱塩処理カラムの接続が不可欠となるが,パラコートやジクワットなど,アルカリ性の移動相を用いないと保持できない物質もあり,アルカリ条件下でも耐久性のあるカラムを選択する必要がある.当初はアルカリ条件下でも劣化されにくい資生堂のODSカラムを使用していたが,やはり高価なカラムの劣化は避けられないため,安価に自作可能なセップパックC18を充填したカラムを使用することにした.その結果,移動相をアンモニアでアルカリ性にすることで,上記の物質についても分析が可能となり,かつ100時間以上の使用が可能であった. 2 パラコートとジクワットを分析用ODSカラムで明瞭に分離することは困難である.そこでピークはブロードになるが両成分の分離が可能なゲルカラムに通し,分離された各成分をポンプの操作によって別々に抽出し、脱塩処理後ODSカラムで分析する二段階分離抽出法を開発した.その結果各成分をシャープなピークとして検出することが可能となった. 3 血清試料を直接導入する場合,移動相として40%アセトニトリルを用いると試料中の蛋白質が変性・凝固し,カラムの目詰まり等をきたす.そこで前処理としての除蛋白法を検討したところ,アセトニトリル,メタノール,トリクロール酢酸などのうち等量のアセトニトルが除蛋白剤として最も有効であった.
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