研究分担者 |
吉村 澄孝 関西医科大学, 医学部, 助手 (70167005)
沖井 裕 関西医科大学, 医学部, 助手 (20121915)
綿引 利充 関西医科大学, 医学部, 講師 (70077692)
林 守正 (株)島津製作所, 応用技術部・係長, 研究職
赤根 敦 関西医科大学, 医学部, 教授 (70202520)
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研究概要 |
ゲルカラムを用いた自動薬物前処理装置を試作した。血清や尿中の薬物(眠剤,精神安定剤,農薬等)が溶出されてくる時間は.薬物の持つ吸着性によって同程度の分子量の物質でも溶出時間が異なり,対象となる物質によって移動相溶液や溶出液の分取時間を変える必要があることが判明した.精神安定剤として汎用されているベンゾジアゼピン系薬物では他の薬物に比べて有機溶媒の含有率を高くする必要があり,40%アセトニトリルに100mMの過塩素酸ナトリウムを添加した移動相の使用が至適条件となった.移動相に40%アセトニトリルを使用した場合,目詰まりによるカラム劣化を防ぐ方法として等量のアセトニトリルでの除蛋白が最適であった. システムの応用としてゲルカラムから溶出してくる溶出液をポンプ操作で分割して各分割ごとに分析する多段階分離抽出方法を考案した.これによりODSカラムでは分離困難なパラコートとジクワットを分離・分析することが可能となった. 自動薬物前処理装置とサーモスプレイ質量分析計とを接続して血清中ベンゾジアゼピン系薬物を分析した.血清中薬物は血清成分と分離された後,脱塩処理されて質量分析計で検出された.本システムの性能はコンピュータ制御により人為的誤差が入らないことによって再現性のよい分析を可能にした.得られるデータはマススペクトルやフォトダイオードアレイからの吸収スペクトル等があり高精度の定性分析が可能で,定量性も対象薬物の最適条件での吸光度測定,特徴的イオンによるマススペクトルから高感度の定量が可能であった.
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