研究課題
試験研究(B)
不安定性を示す代表的なゲノム反復配列であるテロメア配列をPCRを用いて正確かつ高感度に測定する方法を開発することに成功した。一般に、繰り返し配列をPCRによって遺伝子増幅する際には、二つのプライマー配列を、同じ繰り返し配列のsenseとanti-senseの二つの配列にせざるを得ないために、プライマー同志のアニーリングがおきてしまう可能性があ琉。また、たとえプライマーが目標とする鋳型DNAにアニーリングしても、末端の繰り返し単位ではなく、内側にある繰り返し単位とアニーリングすると、それに由来するPCR産物は、初期の鋳型とした繰り返し配列の長さを反映することができない。このような点から、これまで繰り返し配列をPCRを用いて解析することは困難であった。我々は、プライマーの配列、長さ、およびPCRの反応条件を詳しく検討することで、以上の短所を克服することに成功した。この新しいPCR技術、“Stretch PCR"を用いることで、ゲノムに存在するテロメア繰り返し配列そのものだけではなく、テロメア長を調節する酵素、テロメレースの酵素活性を高感度かつ特異的に測定する系の開発に成功した。
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