研究課題/領域番号 |
07557047
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
井廻 道夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (70134228)
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研究分担者 |
安藤 量基 自治医科大学, 医学部, 助手 (20265276)
金子 隆志 自治医科大学, 医学部, 助手 (10254913)
森山 貴志 自治医科大学, 医学部, 講師 (10240706)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / C型肝炎 / 細胞障害性T細胞 / HLAB44 / ワクチン |
研究概要 |
C型肝炎ウイルスに対するT細胞応答を利用した新しい予防法、治療法を開発するための基礎的検討を行った。HLAB44を有する慢性C型肝炎患者末梢血には一部の患者でC型肝炎ウイルス特異的細胞障害性T細胞が存在し、C型肝炎ウイルスの排除に重要な役割を果たしていることを示す研究結果が最近得られている。従って、インターフェロン治療によっても著効率が20〜30%の慢性C型肝炎患者の治療法、あるいは予防法として細胞障害性T細胞応答を増強する方法が考えられる。私達は、HLAB44拘束性細胞障害性T細胞が、C型肝炎ウイルスコア蛋白88-96のアミノ酸を最小エピトープとして認識することを明らかにした。HLAB44拘束性細胞障害性T細胞応答を強く刺激するペプチドあるいはDNAワクチンを開発する目的で、抗原ペプチドのHLAB44あるいは細胞障害性T細胞の細胞抗原受容体への結合に重要な位置の検討を行った。最小抗原エピトープであるペプチドNEGLGWAGWの各アミノ酸を一つずつアラニンあるいはセリンで置換したペプチドを合成し、これらペプチドがHLAB44拘束性細胞障害性T細胞株の有効な抗原になりうるか否かを、細胞障害性試験により検討した。その結果、9アミノ酸のペプチドのN端から2、4、6、9番目のアミノ酸の置換により、細胞障害性T細胞による認識が失われた。最近のHLAB44結合モチーフの報告と考え合わせると、2番目と9番目のアミノ酸はHLAB44との結合に重要であり、4番目と6番目のアミノ酸は細胞障害性T細胞のT細胞抗原受容体との結合に重要と考えられる。そのほかのC型肝炎ウイルス特異的細胞障害性T細胞株においても抗原エピトープのT細胞抗原受容体結合部位が同じであるかどうかは、今後更に検討が必要である。
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