研究概要 |
本研究は4つのプロジェクトごとに進行中であるが、そのうちリソソーム酸性リパーゼ(LAL)欠損ラットの肝臓の病理研究プロジェクトの形態学的検討はほぼ終了した。蓄積した脂肪滴は一層の膜におおわれたリソソームと思われる内部に認められた。しかしながら、ゴルジ装置近傍にも多数を認められ、リポ蛋白の合成分泌障害も推定された。また、TGは主として肝実質細胞内、CEは主としてクッパー細胞内に蓄積していた(投稿準備中)。ラットLAL cDNAをクローニングし、本欠損ラットの遺伝子変異を同定した(J. Lipid Res. 1995)。また、ヒトWolman病の1家系で、LAL上の遺伝子変異を同定した(Human Mutation, in press, 1996)。治療プロジェクトのうち、遺伝子治療に関しては、リン酸カルシウム法によりラットLAL cDNAのLAL欠損ラット線維芽細胞への導入実験を行った。ネオマイシン耐性遺伝子で選択し13個のクローンを得ることができた。各々のクローンの酵素活性を検討中である。また、retrovirusベクターに関しても同様実験を行っている。
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