研究課題
基盤研究(A)
[I]摘出細動脈の器械的活動記録装置の開発(1)摘出細動脈保存用の特殊臓器槽を作製したいろいろな臓器に分布する内径100μm以下の細動脈を摘出し実験系に共するためには、4℃に保存し酸素化した純正の保生液を長時間灌流できる臓器層が必要となる。このような条件を満たし、同時に実体顕微鏡下で容易に操作の出来る臓器槽を設計・作製した。(2)摘出細動脈カニュレーション用二重微小ガラス管の作製摘出細動脈標本の内腔ならびに外膜側を別々に灌流出来るシステムを作成するために、微小ガラス管チューブを微小電極作製用プラーで成形し、holding pipetteとperfusion pipetteが一対となった微小ガラス管カニュレを作製した。(3)摘出細動脈の機械的活動記録装置の作製生体用倒立顕微鏡に実体顕微鏡を組み込み、摘出細動脈標本への微小ガラス管の挿入と標本固定を容易にするシステムを設計・作製した。さらにこの灌流細動脈標本の画像をSITカメラ。を介してTVモニターに投影し、新しい画像解析ソフトを設計し、細動脈内・外径・壁厚を維継時に記録できるシステムを作製した。[II]動脈実験への適用完成した摘出細動脈カニュレーションシステムと内・外径、壁厚同時記録装置を用いて、脊髄細動脈の機械的活動の特性を体系的に検索した。すなわち、摘出したウサギの脊髄細動脈標本は灌流圧60mmHgで内腔を灌流すると最大径の約75%程度の内因的緊張を生じた。このmyogenicな収縮反応はインドメタシン10μMの処置によって増強し、NO合成阻害薬L‐NAMEの処置では何らの影響を受けなかった。しかしインドメタシン10μM存在下ではL‐NAMEの処置で有意に収縮反応が増加した。以上の結果より脊髄細動脈には流れに依存して一酸化窒素(NO)と血管拡張性プロスタグランジン(PGs)の分泌されていることが判明した。さらにこの細動脈内皮細胞のNOとPGsとの産生・分泌機構にはそれぞれの物質による相互作用のあることも示唆された。
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