研究課題/領域番号 |
07557058
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹下 彰 九州大学, 医学部, 教授 (30038814)
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研究分担者 |
筒井 裕之 九州大学, 医学部, 講師 (70264017)
毛利 正博 九州大学, 医学部, 助手 (60264032)
江頭 健輔 九州大学, 医学部, 講師 (60260379)
上野 光 九州大学, 医学部, 講師 (50260378)
下川 宏明 九州大学, 医学部, 助教授 (00235681)
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キーワード | 一酸化窒素 / アンジオテンシン変換酵素 / アンジオテンシンII / 血栓 / 動脈硬化 / 組織因子 |
研究概要 |
1.NO産生抑制実験動物モデルの作成:NO合成阻害薬(N ω nitro-arginine methyl ester、L-NAME)を実験動物(ラット、ブタ)に4週間投与した。 2.血管内血栓の誘発:血管(ラットでは頚動脈、ブタでは冠動脈)の外側に絹糸を巻き付け、徐々に縛ることで血管内腔に約70%の狭窄を作成することが最も有効な血栓誘発法であった。この方法により狭窄を作成すると,NO産生抑制動物では再現性よく血流の周期性減少-増加(cyclic flow variation)が観察された。この狭窄によって誘発される血栓は,L-NAME+hydralazine群ではL-NAME群と同様に観察された。しかし、L-NAME+ACE阻害薬群では誘発されなかった。 3.血管内血栓の機序の検討:TFやPAI-1の遺伝子発現を検討すると、いずれの因子もL-NAME投与群の頚動脈や冠動脈で増加していた。L-NAME+hydralazine群ではTFやPAI-1の産生増加は観察されなかったが、L-NAME+ACE阻害薬群ではTFやPAI-1の産生増加は完全に抑制された。トロンビン阻害薬を用いてその活性をブロックすると、L-NAME投与群における狭窄による血栓の発生が完全に抑制された。このことから,NO産生抑制モデルでの血管内血栓の発生にTFが中心的役割を果たすと考えられた。 4.まとめ:我々は、NO産生抑制動物モデルを用いて、NO産生抑制により血管壁局所での局所レニン・アンジオテンシン系の活性化や血栓促進因子の発現が生じること、狭窄により血栓が生じること、この血管内血栓はトロンビン阻害薬により抑制されること、を明らかにした。
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