研究課題/領域番号 |
07557060
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
盛 英三 東海大学, 医学部, 助教授 (90146598)
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研究分担者 |
谷岡 健吉 日本放送協会放送技術研究所, 主任研究員
兵藤 一行 高エネルギー加速器研究機構, 助手 (60201729)
安藤 正海 高エネルギー加速器研究機構, 教授 (30013501)
田中 豊 東海大学, 医学部, 講師 (50155181)
田中 越郎 東海大学, 医学部, 講師 (80211366)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 放射光 / 血管造影 / ハイビジョンカメラ / 微小循環 / 循環障害 / 悪性腫瘍 |
研究概要 |
既存のX線撮影装置(イメージ増強管(II)・テレビジョン(TV)システム)では微小血管の機能的、器質的病変の評価を期待することはできない。この目的のためには、直径50-100μmの微小血管内に含まれる微量の造影剤を背景となる生体組織から識別できる強力なX線源が必要であり、さらに50μm以下の解像度をもつX線撮影装置が必要である。我々は、単色化した放射光をX線源として、撮像システムとして次世代型ハイビジョンカメラシステムを用いることにより、この目的を達成した。つくば市の高エネルギー物理学研究所の放射光と次世代用ハイビジョンカメラシステム:アバランシェ(電子なだれ現象)型テレビカメラシステムを利用して、種々の動物実験をおこない、既存の血管造影法では評価が困難であった50-100μmの微小血管の造影を実現した。この撮影システムでは2/3インチの視野を2000°2000本のテレビ走査線で撮影するので、実寸で撮影した場合、8μmの解像度を得ることができる。既存のCCDカメラを用いたハイビジョンカメラシステムでは画素が小さくなるに連れて、画素あたりの光子数が少なくなるため感度が低下するという問題があった。このアバランシェ型テレビカメラシステムでは電子なだれ現象により入射する光子あたりの光電変換効率(量子効率)を最大でCCDカメラの約630倍に高めることができる。すなわち、解像度の向上に伴う感度の低下を解決した理想的な微小血管撮影用のテレビカメラシステムということができる。 本方法ならびに本研究期間中に開発された関連技術を利用して行われた動物実験に基づく成果を、裏面及び別紙の業績リストに列記した。 本方法の臨床応用が実現されると、微小冠血管の臨床的評価により、Syndrome X、大動脈弁狭窄症、高血圧性心疾患、肥大型心筋症などにみられる心筋虚血と微小冠血管に限局した狭窄性病変との関連を検討できる。また、微小脳梗塞の血管病変を判定することも可能になる。肝臓、肺などでは、腫瘍の栄養血管の評価により、小腫瘍の悪性度の判定が容易になり、癌の早期発見に役立つ。また、移植臓器の細血管病変の広がりから拒絶反応の空間的分布が評価できる可能性もある。
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