研究概要 |
1)fMRIの撮像sequenceについて:anatomical imageとしてFLASH sequenceを、fMRIとしてgradient echoによるblipped EPIを用いた。TE=20ms,TR=80ms,matrix=64x64,total repetition time=1.7sとした。slice厚は5mmで、total200-250枚集積した。 2)data analysisについて:activation mapの作成と統計処理には、STIMULATE(CMRR,Univ.of Minnesota)を用いた。t-test analysis及びtime,or period cross-corrrelation analysisにより、検定画像を作成した。大きな体動補正や拍動のartifactは、計算処理により補正した上で、検定画像を、anatomical imageと重ねて位置の同定と範囲について検討した。信号強度の経時的変化についても検討し、とくにtaskの時間と信号の変化のながさについて検討を加えた。 3)task:聴覚刺激(言語)および手指の感覚刺激について検討した。taskは繰り返さずに一回のみで行った。聴覚刺激には、headphoneを用いてできるだけ外部の音を遮断した。 4)結果:聴覚刺激では、側頭葉の聴覚野のみならず、連合野でも信号の有意な変化を認めた。信号の経時的な変化のtaskよりも延長するpixelが少なからず認められた。感覚刺激では、冷温刺激の方が描出されやすかったが、信号の上昇の他に信号が低下する部位がみとめられ、抑制(inhibition)との関係も考えられた。 5)問題点と今後の方針:fMRIで確かに信号変化は捕えられるが、処理方法や統計のしきい値の設定により有意な変化部位や範囲が変化するため、最も信頼にたる処理方法や条件の設定を行いたい。得られた結果の生理学的意味づけも他検査での結果と比較して、解析が必要である。
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