研究課題/領域番号 |
07557069
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
西谷 弘 徳島大学, 医学部, 教授 (50117206)
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研究分担者 |
三好 弘一 徳島大学, 医療短期大学部, 助手 (90229906)
原田 雅史 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20228654)
吉崎 和男 徳島大学, 医学部, 教授 (50079696)
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キーワード | fMRI / Fourier変換 / BOLD効果 / 記憶 |
研究概要 |
1.5Tの装置のみならず4Tの装置も使用できる機会を得たので、1.5Tと4Tで同一対象に同一刺激を行い、fMRIの描出能の違いを検討した。統計学的処理等の条件は、両者で統一した。刺激は、1)単語記憶試験、2)単語復唱試験の2種類を施行した。 BOLD効果を示す△R2は、4T装置の方が1.5Tよりも約3倍高値であったが、理論的には、磁場強度の2乗に比例すると考えられていた値よりは低かった。マッピングの結果は、4T,1.5Tともに2種類の刺激で聴覚野、Broca野、Wernicke野等の脳局所が賦活化されており、ほぼ同等であった。その他単語記憶試験では、角回、帯状回、海馬等の領域が不活されており,いわゆるPapez回路の一部に該当した。信号のtimecourseでは、刺激終了後の回復が聴覚野では早く、海馬では緩やかな傾向にあり、局所の反応性を示唆するようで興味深かった。 そこで、信号のtimecourseを周波数解析を行い、脳局所の相関性を検討した。安静状態にくらべて、刺激をくわえると10-60mHz付近の周波数成分の変化が目立つ傾向にあり、聴覚野同士では高い相関を有するが、聴覚野とBroca野では弱い相関しか示さなかった。Wernicke野は聴覚野との相関がBroca野よりも高く、Wernicke野とBroca野との反応性に違いがあることが示唆された。また、安静時のMRI信号を周波数分析すると周波数の累乗の逆数に比例する部分があり、刺激における変化もこの部分に特に多いことが示され、同部分の周波数を解析することにより、刺激への反応性が評価できるのではないかと考えられた。 今回の検討でfMRIは、局所マッピングのみならず局所反応の相関性などの評価も行える可能性があり、neuronnetworkの解析にも期待がもてるのではないかと考えられた。
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