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1996 年度 実績報告書

単一細胞のホルモン分泌を多次元的に検出する超高感度生物学的測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07557070
研究機関千葉大学

研究代表者

清野 進  千葉大学, 医学部, 教授 (80236067)

研究分担者 遠藤 和樹  ヤマサ醤油(株), 研究開発本部, 研究員
稲垣 暢也  千葉大学, 医学部, 助教授 (30241954)
キーワードATP / インスリン / カルシウム / ATP受容体 / 開口放出
研究概要

平成7年度で、我々は膵β細胞からインスリンとともに放出されるATPを画像解析することにより、膵β細胞からインスリン分泌を検出することが可能であることを証明した(Diabetes 44:1213,1995)。さらに膵β細胞から放出されたATPはATP受容体P2x-4を介し、オートクリンの様式でインスリン分泌を調節している可能性を示唆した(Diabetes 44:1213,1995、Biochem.Biophys.Res.Commun.220:196,1996)。本年度ではグルコースによるインスリン分泌に対するATPの効果をさらに詳細に検討した。ATP受容体の抑制剤であるスラミンはグルコース及びATPより引き起こされる膵β細胞内カルシウムの上昇を可逆的に、しかも用量依存的に抑制した。しかし、スラミンはグルコース代謝の指標となるNAD(P)Hに対して何ら影響を及ぼさなかった。従って、グルコースによる細胞内カルシウム上昇に対するスラミンの抑制効果はグルコース代謝の抑制を介するものではないことが示唆される。さらに、スラミンは、ATP感受性Kチャネルを抑制するトルブタミド、電位依存性カルシウムチャネルによるカルシウム流入を促進するアルギニンならびに細胞内カルシウム動員を促進するアセチルコリンなどにより惹起される細胞内カルシウム上昇に対しても何ら影響を及ぼさなかった。以上の事実より、ATPはグルコース代謝、細胞外からのカルシウム流入や細胞内カルシウム動員を介さない系により、グルコースによるインスリン分泌を修飾している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kuromi,H.et al: "Suramin inhibits glucose-induced Ca^<2+> response single rat pancreatic β cells." Jpn. J. Pharmacol.73. 179-182 (1997)

  • [文献書誌] Tanaka,J.et al: "Cellular distribution of the P2X4 ATP receptor mRNA in the brain and non-neuroual organs of rats." Arch. Histol. Cytol.59. 485-490 (1996)

  • [文献書誌] Namba,N.et al: "Kir2.2v : a possible negative regulator of the inwardly rectifying K^+ channel Kir2.2." FEBS lett.386. 211-214 (1996)

  • [文献書誌] Wang,C-Z.et al: "Cloning and pharmacological characterization of a fourth P2X receptor subtype widely expressed in brain and peripheral tissues including various endocrine tissues." Biochem. Biophys. Res. Commun.220. 196-202 (1996)

  • [文献書誌] 黒見坦他: "分子糖尿病学の進歩-基礎から臨床まで-1996" 金原出版, 6 (1996)

  • [文献書誌] 難波範行他: "ホルモンと臨床" 医学の世界社, 7 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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