研究課題/領域番号 |
07557071
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石橋 俊 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90212919)
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研究分担者 |
大須賀 淳一 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
原田 賢治 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
山田 信博 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40200729)
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キーワード | 遺伝子治療 / 肝臓 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / コレステロール7α水酸化酵素 / アシアロ糖蛋白受容体 / リポタンパクリパーゼ / LDLレセプター |
研究概要 |
肝幹細胞を移植した場合の分化指標として何を用いたらよいかを調べるために、肝臓特異的に発現する遺伝子の遺伝子操作によりその機能を探った。また、遺伝子導入の方法として、実験動物レベルトランスジーンを導入することが可能である。そこで、トランスジェニックマウスを機能欠損マウスに交配した場合、欠損機能を改善しうるか否かについて検討した。 肝臓に特異的に発現する遺伝子として、アシアロ糖蛋白受容体2型の欠損マウスの受容体機能を検討した。2型受容体は1型受容体とポリマーを形成して、受容体としての機能を全うしているが、2型受容体が欠損によって、1型受容体も完全に機能不全になるか否かを検討した。2型受容体ノックアウトマウスの肝臓におけるアシアロ糖蛋白の結合と取り込みは著明に低下した。1型受容体数の著明に減少していたが、残存した1型受容体のみでも部分的ではあるがアシアロ糖蛋白の除去を行いうることが明らかになった。従って、遺伝子操作しない肝臓を識別して、それに選択的に細胞死を惹起するためには、2型受容体ノックアウトマウス由来の肝臓を用いるのでは不完全で、当初の目的を遂行するには1型受容体ノックアウトマウスの樹立も不可欠と考えて、現在、キメラを作製中である。 もうひとつの肝臓特異発現を示す遺伝子として、胆汁酸合成酵素のひとつであるコレステロール7α水酸化酵素のノックアウトマウスを作出した。このマウスは新生児死亡率が高く、その原因として、胆汁酸の欠乏とビタミンの吸収障害が考えられた。しかし、成長後はこれらの表現形は消失し、正常マウスと変わらない体重増加を示した。 リポタンパクリパーゼ(LPL)を過剰に発現するLDLレセプターノックアウトマウス(LPL/LDLRKO)を樹立した。LPL/LDLRKOのリポタンパク代謝をLDLRKOと比較したところ、血中の中性脂肪値と総コレステロール値の低下が観察された。機能欠失を示す遺伝子以外の遺伝子操作によって、異常が是正される可能性が示された。
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