研究課題/領域番号 |
07557080
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大川 治夫 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30009667)
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研究分担者 |
伊藤 博康 浜松ホトニクス筑波研究所, 研究員
雨海 照祥 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50175923)
池袋 賢一 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70251064)
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キーワード | 鎖肛ブタ / 三次元立体構築 / 総排泄腟 / 発生学 / 顕微鏡CT |
研究概要 |
15年をかけて独自に樹立し、維持してきた自然発生鎖肛ブタ家系を有し、継続維持の努力を重ねている。ブタ胎齢20〜60日における総排泄腟より直腸と泌尿生殖系への分離による発生過程を中心に個体発生に関する研究をなお続けている。さらに系統発生学について研究を進めて来た。結論としては、総排泄腟の発生学的分離不全が即ち鎖肛である。系統発生学的には水中あるいは水辺の生活を行ってていた爬虫類が、陸上生活を強いられて哺乳類に進化して行ったという経過のなかで、排尿と排便の完全な分離と共に、性器能の分離もはたした。哺乳類の進化のなかでこれらの機能は全く後戻りしていない。我々はこのストーリーを3次元画像として語る過程にある。 連続切片組織像の画像上での処理、解析が今回の研究における基本であり、ここより出発して画像上での仮想断面における解剖、分析作業を行いたい。しかし未だ目的とした到達点に達したものとは言いがたい結果である。 連続組織切片を作成し、染色により分別する方法以外の方法での立体像作成を目指して来た。初期胎仔組織は極めて組織間での密度差が少なく、各種レーザー光、X線などによる顕微鏡システムで組織間のコントラストをつけることは極めて難しい。 この点単色放射光を用いることが現時点で、最良の方法と考えられる。われわれの施設では、高エネルギー物理学研究所および放射線医学総合研究所の単色放射光を用いる方法に可能性がもっとも大きく、放射光顕微鏡への基礎的研究を行ったが、位相型X線CT装置についても、資料サイズの点でなお目的を達するには至らなかった。
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