研究課題/領域番号 |
07557082
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高戸 毅 東京大学, 医学部・付属病院, 教授 (90171454)
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研究分担者 |
森 良之 東京大学, 医学部・付属病院, 助手 (70251296)
米原 啓之 東京大学, 医学部・付属病院, 助手 (00251299)
須佐見 隆文 東京大学, 医学部・付属病院, 助教授 (80179184)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 膜性骨 / エイジング / 顎顔面骨 / 骨延長装置 |
研究概要 |
顎顔面外科学と骨との関わりは深い。顎顔面骨は膜性骨をその構成主体としているが、その基礎的解明が遅れているため、長管骨に準じて治療が行われているのが現状である。我々は、膜性骨の特異的エイジングに焦点を絞り、その機構解明を進めた。 A.骨延長法の1つである骨トランスポート法を用いて新たな顎関節形成術の動物実験モデルを作成し、以下の様に検討を加えた。 形態学的検討 42羽の白色家兎を用い、われわれの開発した埋入型延長器を使用して実験を行った。その結果、同方法により可動性を有し、元の顎関節の形態に類似した新顎関節が形成された。延長部には軟X線上、延長終了後8週目以降に周囲と同様に骨陰影が認められた。また、移動した骨セグメントの先端には延長終了後2週目より新生骨の不規則な骨陰影が認められた。8週目以降ではこの新生骨は丸みを帯び、元の下顎頭の形態に類似するような形態を呈していた。顎関節部の切除のみで顎関節形成術を施行しなかったコントロール群では、開口障害と下顎の偏位を認めたが、実験群ではこれらは軽度であった。 組織学的検討 延長後2週間目より24週目まで経時的に、延長部およびトランスポートディスク先端部で関節面を形成する部分の組織を脱灰研磨標本を用いて観察した。その結果、延長部には延長終了後2週目および4週目において、広範囲に軟骨様細胞が認められた。これらは8週目には骨に置換されていた。またトランスポートディスクの先端には骨新生が認められたが、軟骨細胞は出現しなかった。骨の先端部分は膠原線維の被膜により被覆されているのが観察された。これらより、今回用いた方法により、可動性を有する顎関節の再建が期待されると考えられた。 膜性骨における軟骨の機能について;家兎上顎欠損モデルを作成し、その修復過程において軟骨が出現しないことなど長官骨との相違点があることを確認した。すなわち膜性骨における修復過程は長官骨とは異なり、軟骨の機能的意義も異なることが示された。
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