研究課題/領域番号 |
07557090
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
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研究分担者 |
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 副所長 (60028595)
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (40199691)
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キーワード | 遠心ポンプ / 抗血栓性 / 耐久性 / 体内埋込型人工心臓 / 定常流体循環 / 大動脈壁性状 / 平滑筋 / 慢性動物実験 |
研究概要 |
成山羊に対して、改良した遠心ポンプを体外設置式の左房脱血大動脈送血の左心バイパスとして装着し、長期慢性動物実験を行った。抗凝血薬としてワ-ファリンを経口投与し、プロトロンビン時間を50%前後に維持し管理した。その結果、単独の遠心ポンプによる現時点での世界最長生存記録となる381日の生存が実現され、開発中のポンプの生体内での優れた抗血栓性と耐久性が実現された。また、ポンプ各部に体内埋め込みのための耐水性を付与する改良を施し、左房脱血大動脈送血の左心バイパスとして左胸腔内埋め込みを行い、体内埋め込み実験を開始した。病態生理学的な解析については、定常流左心バイパスによる脈圧の減少が長期間持続した場合、大動脈壁にいかなる変化がもたらされるかについて、主として研究した。実験は定常流群、拍動流群、対照群について、摘出した胸部大動脈に対して、1)壁厚の計測、2)光顕による構成成分(平滑筋細胞、エラスチン、コラーゲン)の体積比の算出、3)透過電顕による平滑筋細胞の形態の観察、を行った。その結果、1)壁厚は、拍動流群では平均2.3mm、対照群では平均2.4mmであったのに対し、定常流群では平均1.4mmと著明な減少を認めた。2)構成成分のうち平滑筋の占める割合は、拍動流群では47%、対照群では50%であったのに対し、定常流群では38%と有意な平滑筋構成比率の減少を認めた。3)平滑筋細胞の形態の観察では、収縮力が減弱したと考えられる細胞の割合が、拍動流群では3%、対照群では5%であったのに対し、定常流群では67%と著明に増加しており、平滑筋の収縮力の減弱が示唆された。
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