人工椎間板の開発に関する研究

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07557097
• 研究種目: 試験研究(B)
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 岡 正典 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (20088537)
• 研究分担者: 藤沢 章 京セラ株式会社, バイオセラム事業部, 研究部責任者 ; 堤 定美 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00028739) ; 池内 健 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (30026223) ; 筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
• キーワード: 椎間板 / 人工軟骨 / 多孔性人工骨 / 人工骨・軟骨複合材料 / 脊椎のバイオメカニクス

研究概要

損傷をうけた脊椎に支持性と可動性を同時に回復させるためには、人工椎間板の開発が望まれる。人工椎間板に要請される特性として、椎間板に似た物性を有する生体適合性の良い材料であるとともに、強固に迅速に椎体骨に接着・固定されねばならない。この点、私達の開発中の人工骨軟骨複合材料は、最適と思われ、犬用の人工椎間板を作製し、既に5匹に置換手術を行った。犬人工椎間板では術後早期固定のため、椎体部分はチタン製のスクリューで固定し、全例手術は成功している。
一方、犬用の人工椎間板を犬のL5-L6腰椎標本に固定し、圧縮、ねじり試験を行い、その物性と疲労特性を検索し、力学的にも充分臨床使用に耐えることを確認した。
今後は犬の手術例を増やし、屠殺後の病理学的検索により本椎間板の有用性を明らかにしたい。

研究成果

• [文献書誌] T.Kitsugi: "Bone-bonding behavior of three heat treated silica gels implanted in mature rabblt bone." Calcif. Tissue Int.57. 155-160 (1995)
• [文献書誌] T.Kitsugi: "SEM-electron prote microanalysis study of the interface between apatite and wollastcnite-containing glass-ceramic and rabbit tibia under load-bearing conditions" Calcif. Tissue Int.56. 331-335 (1995)
• [文献書誌] R.Kakinoki: "Relationship between axonal regeneration and vascularity in tubulation-an experimental study" Neuroscience Res.23. 35-45 (1995)
• [文献書誌] 北条弘幸: "超高速カメラによる関節の衝撃吸収機構の可視化(第3報)" 日本臨床バイメカニクス学会誌. 16. 451-456 (1995)
• [文献書誌] 村瀬晃平: "三次元衝撃解析による関節の負荷機構の研究(第2報)" 日本臨床バイメカニクス学会誌. 16. 457-460 (1995)
• [文献書誌] 伊藤智恵: "歯根膜の衝撃緩衝機能に関する力学的検討(第2報)" 日本臨床バイメカニクス学会誌. 16. 443-446 (1995)
• [文献書誌] 速水 尚: "海綿骨骨梁構造の力学的特性と関節における機能(第2報)" 日本臨床バイメカニクス学会誌. 16. 437-441 (1995)
• [文献書誌] 速水 尚: "海綿骨の変性がその力学的挙動に及ぼす影響FEMによる検討" 日本臨床バイメカニクス学会誌. 16. 465-468 (1995)
• [文献書誌] 中西秀樹: "犬椎間板の特性について" 日本臨床バイメカニクス学会誌. 16. 299-304 (1995)
• [文献書誌] 岡 正典: "PVAハイドロゲルの耐摩耗性" 日本臨床バイメカニクス学会誌. 16. 351-356 (1995)
• [文献書誌] 池内 健: "セラミック-セラミック人工関節の潤滑" 日本臨床バイメカニクス学会誌. 16. 381-384 (1995)
• [文献書誌] 速水 尚: "人大腿骨頭主圧縮骨梁群の圧縮変形特性" 日本機械学会論文集(A編). 61. 1122-1128 (1995)
• [文献書誌] S.Takahashi: " Autogenous callo-ossecus grafts for the repair of osteochondral defects" J. Bone and Joint Surg.77-B. 194-204 (1995)
• [文献書誌] T.Hayami: "FEM studies of stress-distribution changes in trabecular architecture due to osteoarthritis of the hip." J. Kinki Univ. Mech. Eng.29. 25-29 (1995)
• [文献書誌] 岡 正典: "人工骨軟骨複合材料の開発" 学術月報. 48. 96 (1995)