研究概要 |
診断用ロボットシステム(昭和62年度文部省科学研究費試験研究により既設)を用いた切断膝関節の前後方試験(最大荷重100N)および内外反試験(最大モーメント10Nm)を行ったときの,マニピュレータ(6軸多関節型)の各部に生じる荷重とモーメントをシミュレーションにより計算した。その結果,それらがマニピュレータ各軸の許容力,許容モーメントに近いことが分かった。このことから新型ロボットシステムでは,より強固なマニピュレータの機構が必要であることが分かった。また,機構学的なシミュレーションにより,マニピュレータの最終軸の回転中心を,試験関節の屈曲伸展軸に一致させる構造が望ましいと判断された。以上から,直道3自由度機構の先に,回転3自由度機構を付加した6自由度構造のマニピュレータを設計した。可搬重量を大きくするために,それぞれの関節部分には6個のACサーボモータを用いることとした。。それぞれのモータは独立したコントローラを存し,アナログ変換された制御コンピュータからの制御出力に応じて出力変位を発揮する。 これとは別に,生体関節機構の数学的な記述のために,すでに記述を終えた膝関節以外に,股関節,肩関節,肘関節,足関節の機構モデルを構築した。それぞれに対して変位および力とモーメントを記述するために,同次変換およびヤコビアンを求めた。これらの記述を搭載した,生体関節力学機能試験のための制御プログラムを作成した。
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