研究課題/領域番号 |
07557108
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桐谷 滋 東京大学, 医学部(医), 教授 (90010032)
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研究分担者 |
湯本 真人 東京大学, 医学部(病), 助手 (30240170)
森 浩一 東京大学, 医学部(医), 助手 (60157857)
今泉 敏 東京大学, 医学部(医), 助教授 (80122018)
新美 成二 東京大学, 医学部(医), 教授 (00010273)
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キーワード | 脳磁図 / 視聴覚統合反応 / 意味判断課題 / 語い判断課題 / 音韻判断課題 / McGurk効果 |
研究概要 |
脳磁図による視聴覚統合反応実験のため、言語刺激材料として日常的な物品の名詞300単語を選定し、これ等単語の音声、文字(かな、および漢字表記)、絵をディジタルデータとして計算機上に用意した。意味判断課題として、上記名詞中より2モ-ラ語60単語を用いて、計算機より音声を出力すると同時にモニタディスプレイ上にかな、漢字又は絵を表示し、音声と表示のマッチングを判断されながら反応を記録する実験システムを作成、予備的実験を行った。語彙判断課題としては、上記2音節語60単語に対応して無意味2音節語30単語を選定し、音声およびかなを計算機データとして入力し、刺激呈示プログラムを作成した。音韻判断課題としても、まず上記2音節単語を用いた実験システム(音声またはかな)を作成中である。さらに視聴覚情報の統合の基礎的過程を調べるために競合雑音下での傾聴する音声言語信号の聴覚的検出・統合過程とMcGurk効果に代表される視聴覚信号の統合過程を解析するシステムを構成し、主として健聴者の脳機能を調べた。単語音声と重畳するクリック音が聴覚系でどのように処理されるかを調べた実験1では、左右半球とも単語音声の背景に重畳して聞こえるクリック音に対するNlmdが有意に内側に変移した。またMcGurk反応の実験では、標準刺激を高確率で繰り返し心的トレースを形成しておくと、底確率で比較刺激が呈示されたときにミスマッチ磁界が生成される現象を利用した。実験の結果、視聴覚情報の統合の主要な部分は聴覚的情報処理によってミスマッチ磁界が生成されるよりも高次の段階で生じることが示唆された。音ストリームの選択・統合が聴覚情報処理の比較的初期の段階で行われ、視覚情報との本格的な統合はそれよりさらに高次かあるいは並列的な別の機構で行われるものと推察された。
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