研究課題/領域番号 |
07557108
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桐谷 滋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90010032)
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研究分担者 |
湯本 真人 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30240170)
森 浩一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60157857)
今泉 敏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80122018)
新美 成二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00010273)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 脳磁図 / 視・聴覚統合 / 音声・言語機能検査 / カテゴリ判断 / 語彙判断 / 誘発脳波 |
研究概要 |
日常的な物品の名詞約300単語を選定し、これ等単語の文字(かなおよび漢字表記)、絵、音声をディジタルデータとして作成した。文字又は絵をディスプレイ上に必要な3音声を同時に呈示し、誘発脳波を記録するシステムを作成した。又、動画と音声の統合刺激に対する反応実験用にビデオ画像の編集・呈示システムも作成した。また、これ等の実験の脳磁図計測も可能とするため脳磁図実験室内に液晶プロジェクタにより画像呈示可能とした。 画像と文字による意味判断の比較実験として、動物カテゴリの刺激語に小数の植物カテゴリの刺激語をまぜて呈示し、カテゴリ判断を行わせて文字と画像に対する反応を比較した。P300の左半球優位、N400の右半球優位の傾向は両者に共通であったが、画像に対する反応では、潜時400msec付近から顕著な陽性成分が見られ文字に対する反応との違いが示唆された。 ついで、音声と画像ないし文字の同時呈示パラダイムを作成し、視聴覚刺激の不一致判断に対する反応を検討した結果、左右差については絵と文字で有意の差はなかったが、反応潜時に違いが見られた。 さらに、発音動作(口唇運動)の動的視覚情報と音声情報の統合過程を解析した。その結果、視覚呈示と聴覚呈示のそれぞれに固有の神経活動が観測された。聴覚と視覚の反応時間差を制御した実験結果から、視覚由来の神経活動は、唇の調音運動の音韻間差異の検出の関わっていること、視覚由来の反応が聴覚のそれより遅れる場合には視覚情報の音韻判断への影響は減少することが示された。以上の結果は、比較的独立しながらも相互に影響しあう同時並列的な視覚情報処理機構と聴覚情報処理機構の存在と、それらを統合し無矛盾な音韻判断を可能にする機構の存在を示唆する。
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