特定の口腔細菌に対する特異的な「磁性微粒子-抗体結合体」を用いて、う蝕、歯周疾患、粘膜疾患、歯性感染症、等の口腔の細菌性の疾患の治療、予防に役立つ新しい方法を提示する事が本研究の目的である。 1。口腔細菌に対する磁性微粒子-抗体結合体の作製 当教室で作製し保存してある特異抗体を用い、微小磁性粒子との結合試料を作製し、混合比等、種々の検討を行い、適切な実験条件を決めた。 2。単一細菌種懸濁液によるin vitro磁性除菌実験。 歯周ポケット内細菌種のうち、歯周疾患の病因への関連が示唆されているPorpylomonas gingivalisを用いて、特異的にこの細菌を磁性に除去できることを確かめた。また、その対照として、グラム陽性菌、Propionibacterium acnes、Eubacterium subrreumも用いて検討を行い、それぞれ特異的に磁性除去できることが確かめられた。 3。混合細菌系でのin vitro磁性除菌実験。 懸濁歯垢細菌に上記のP.gingivalisを混合し、この中で、P.gingivalisが特異的に磁性除菌殺菌されていることが確かめられた。 何れについても、平成7年度歯科基礎医学会にて、口頭発表を行った。
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