研究課題/領域番号 |
07557117
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐藤 俊英 長崎大学, 歯学部, 教授 (60013968)
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研究分担者 |
長谷部 義男 室町機械株式会社, 技術部長
砂本 順三 京都大学, 工学部, 教授 (80037811)
宮本 武典 長崎大学, 歯学部, 助手 (10167679)
岡田 幸雄 長崎大学, 歯学部, 助教授 (60136687)
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キーワード | 味覚上皮 / 全自動灌流サンプリング装置 / 味刺激 / 遊離物質 / 凍結乾燥 / HPLC / エンケファリン / コレシストキニン |
研究概要 |
前年度にほぼ完成された味覚上皮全自動灌流サンプリング装置を改良し、味刺激時に味覚上皮から遊離される物質を採取した。チェンバーは粘膜側灌流部、漿膜側灌流部から成る。漿膜側灌流部上面の円形の窪みにメッシュを含むシリコン製パッキンを置く。その上に漿膜側を下側にして味蕾を含む剥離上皮片を乗せてメッシュを含むプラスチック片で挟み込み、さらにその上から粘膜側灌流部を乗せて金属製のネジで締め付け、上皮によって粘膜側と漿膜側の液を隔離する。前面パネルで刺激時間・漿膜側灌流時間・刺激回数・サンプル時の冷却温度等を設定する。本実験では刺激時間を20秒とし、刺激の前後に各10秒間水(DW)順応を置いた。設定した刺激回数に従って自動的に刺激・灌流を繰り返した後、上皮からの遊離物質を含む漿膜側灌流液は自動的に本体下部のサンプルカップに可動ノズルを通してサンプリングされた。冷却槽は0℃に設定した。得られたサンプルは-80℃で保存した。サンプルは凍結乾燥後、500μlのTyrode液に溶解し、ODS-C18カラムの逆相クロマトグラフィーにかけ、活性成分を検出した。HPLCの結果、NaClおよびショ糖のいずれの刺激でもペプチドと思われる2つのピークが得られた。HPLC時の注入量に比例してピークの高さも増大した。対照実験として、Tyrode液で刺激した場合にはこれらのピークは現れなかった。味蕾内には様々なペプチドが免疫組織化学的に検出されているが、味蕾細胞内にはコレシストキニン(CCK8)、血管作動性腸管ペプチド(VIP)およびMet-エンケファリンだけが含まれている。それゆえ、この三種のペプチドを同様な方法でHPLCにかけたところ、ラットで得られた2つのピークの内最初のピークがMet-エンケファリンにほぼ一致し、他のピークはCCK8に一致した。現在、リポソームによる灌流システムの準備中である。
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