研究概要 |
SSの病態形成にEBウイルスの再活性化が示唆されていることから、本検索では再活性化を誘導する因子の検出を試みた。抗Ig抗体刺激で再活性化が生じるAkata細胞を用いdifferential display法によりsubtractionを行った結果、刺激と無刺激の細胞株間で差を認める数十のバンドが検出された。これらのバンドをベクターに組み込んだ後、RNase protection assayを用い、EBV産生細胞株(Akata,B95-8,P3HR-1)、非産生株(Daudi)、EBV陰性株(U937)などでスクリーニングを行ったところ、EBV産生細胞株に特異的な6個のクローンが選択され、その塩基配列を解析した結果、いずれも既知の遺伝子との相同性を示さなかった。現在これら遺伝子の全塩基配列の同定を進めており、完全長のクローンが得られた時点でこれらクローンの発現をSS生検材料を用い検討すると共にEBウイルスの再活性化に必須とされるBZLF-1遺伝子との相互作用について解析を行っている。即ち、BZLF-1遺伝子のプロモーターにレポーター遺伝子であるlacZを連結した発現ベクターを構築し、これをイ-スト菌に導入したトランスフェクタントを用い、上記の検討で得られたクローンを加えて導入することにより蛋白間相互作用を検討している。このようなOne-hybrid systemにより従来の方法と比較してよりnativeな条件でスクリーニングが可能になると思われ、現在このシステムの確立のための予備実験を行っている。
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