研究課題/領域番号 |
07557124
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷 嘉明 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (90026881)
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研究分担者 |
南部 敏之 ライフテック研究所, 所長
石川 明子 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (50176153)
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キーワード | 歯科材料 / 歯科用修復剤 / コンポジットレジン / コンポジットレジン修復剤 / 大粒径フィラー |
研究概要 |
コンポジットレジンはその物性向上のために、無機質フィラーが多量に配合されている。その結果、機械的性質、重合収縮、熱膨張性などの諸性質は改善されている。しかし、フィラーの充填率は最高86%でほとんど限界にきている。そこで大粒径セラミックフィラーとしてのβ-石英グラス・セラミック粒状大(BQCI)をコンポジットレジン修復時に、レジン中に填入することにより、フィラー充填率は90%を越えることになり、それによってもたらされる物性の変化を評価し、臨床にも応用した。実験の結果、BQCIを挿入することによって、重合収縮率は小さくなる傾向を示し、なかでもフィラー充填率の低いコンポジットレジンでは30〜35%もトータルな重合収縮率が小さくなることがあきらかになった。一方、重合収縮力は変化しないか、むしろ僅かながら大きくなる傾向が示された.BQCI挿入によって熱膨張係数は著しく低下し、コンポジットレジン修復の辺縁封鎖性の向上に好影響を与えることが示唆された。現在、32例の症例に対して臨床応用を開始し、その評価の検討を行っている。最長で3年間の経過観察を行っており、BQCIを填入したコンポジットレジンとして、ResotoluxSP-4が10例、Palfique Estelite 7例、Z100が6例、Lite Fil II P5例、Progress4例に応用した。その結果、コンポジットレジンの物性とBQCIの物性のマッチングが重要で、コンポジットレジンが耐磨耗性の乏しいものの場合は、長期間の咀嚼・咬合によってBQCIの突出するものが認められた。BQCIは桿状体であるので、現在、直径1〜2mmのアルミナやジルコニアの球状体を用いての物性評価実験を開始した。
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