研究概要 |
平成7年度に作成した歯科臨床用非線形解析システムの信頼性を向上させ,さらに非線形カオス解析の高速化とシステムのGUI(グラフィカルインターフェース)の改良を行った.改良したシステムは,臨床モニター機器から得られたアナログデータを,MPU(Intel社Pentium)搭載コンピュータのISAバスに装着したデータ分解能12bitのアナログ・デジタル変換ボード(Keithley社DAS-1800ST)を用いてリアルタイムにデジタルデータに変換し,さらに本年度開発した非線形カオス解析プログラム(Ver.2.0)による高速非線形カオス解析を可能とした.非線形カオス解析プログラム(Ver.2.0)は,平成7年度に開発した非線形カオス解析プログラム(Ver.1.0)と同様にVisual C++とVisual Basicでプログラミングし,Microsoft社Windows3.1上で動作可能とした. 非線形カオス解析プログラム(Ver.2.0)は,測定サンプリングレートならびに測定チャンネル数の最適化により,非線形カオス解析プログラム(Ver.1.0)に比べて約1.5-2倍の解析速度の高速化を達成した.また,GUI(グラフィカルインターフェース)についても改良を行い,マウスを主体とした簡易な操作により解析が可能で,また解析結果の視認性,認識性についても改良を行った. 以上により,当該年度に開発した歯科臨床用非線形解析システムは,臨床モニター機器から得られた時系列データの,Takensの時間遅れ埋込み定理によるアトラクター再構築,Kolomogorov-Sinaiエントロピー,自己相関量,以上3測定項目についてについてリアルタイム解析を可能とした.
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