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1996 年度 実績報告書

顎顔面先天奇形治療法の疾患モデルによる研究

研究課題

研究課題/領域番号 07557130
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

大山 紀美栄  東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90014216)

研究分担者 鈴木 聖一  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90187732)
黒田 敬之  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10013939)
キーワード先天性奇形 / アルゴンレーザー / 胎仔外科
研究概要

平成8年度は、実施計画に基づき、顎顔面の特定の部位にレーザー照射を行った胎仔の子宮内における創傷治癒過程について組織学的検索を行うとともに、レーザー処置を行った個体の出生後の成長発育の様相について軟X線写真等を用いて観察を行い、最後に本研究の総括を行った。
組織学的観察の結果、レーザー照射は、胎仔の上皮、及び上皮下の間葉細胞にも障害を与えている事が示された。その後、創傷治癒の過程が進行し瘢痕組織の形成は認められないものの、レーザー照射を行った部位は、障害を受けた細胞が本来担うべき組織量が不足しており、この相違が生後の成長発育にともなって顕著となり、形態異常となって現れたものと考えられた。出生後のマウスの頭部X線規格写真による観察では、実験群の個体においても大きな骨格の異常は認められず、前上顎骨、上顎切歯歯胚が僅かにレーザー照射を行った側に傾斜した個体が認められた。この結果より、レーザー照射は、骨格に直接的な侵襲を与えていない事が確認され、実験群の個体に見られた前上顎骨の傾斜は、鼻口唇部の軟組織の左右差によって二次的に発現したものと考えられた。
(本研究の総括)
(1)本研究において開発されたレーザーを用いた胎仔外科の手法により、顎顔面頭蓋に形態異常を有し、生後の育成可能なマウスを再現性をもって作製することができた。
(2)このような形態異常は、胎生期においてレーザー照射によって作製された組織の欠損が、周囲組織の成長発育の過程で相対的に増大した結果発現したものと考えられた。
(3)今回の実験を通して胎生期に作製した僅かな組織欠損が、生後の顕著な形態異常に結びつく事が示され、今後本法を用いて侵襲を加える部位を変える事により、様々な形態異常を有する実験モデル動物をせ作製することが可能となると考えられた。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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