研究概要 |
平成8年度の研究では、平成7年度に達成したPorphyromonas ginigvalis、Actinobacillus acitnomycetemcomitansの特異Pimerの設計合成の経験を基にして、Streptococcus mutans、Streptococcus soborinusおよびTreponema denticolaに対する特異Primerの設計合成を行った。gtfB,gtfU,pyrB遺伝子の配列を参考にして作製した特異Primerを用い、95℃1分間、57℃1分間、72℃1分間で30回反応を繰り返すことで、S.mutans、S.soborinusおよびT.denticolaのそれぞれの細菌に特異的な遺伝子断片が合成できることが確認された。細菌数は10^2のレベルでいずれの細菌も検出することが可能であった。さらに、昨年度の研究で開発したユニバーサルPrimerを用いて歯肉縁下プラーク中の細菌数を測定したところ、約10^6から10^7の総細菌数がペ-パ-ポイントで採取されることが明らかとなった。本法で見積もられた細菌数は従来の培養法で見積もられていた細菌数よりも10倍から20倍高く、歯肉縁下プラーク中の全細菌数は従来考えられていたよりも、かなり多いものと考えられる。 これらの基礎的なデータを基に、来年度は歯周ポッケト内の各病原細菌の定量的な把握とその臨床症状の関連を明らかにして行く予定である。
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