研究課題/領域番号 |
07557139
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富岡 清 京都大学, 薬学部, 教授 (50114575)
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研究分担者 |
井上 勲 田辺製薬, 生産技術センター, 研究員
長岡 康夫 京都大学, 薬学部, 助手 (90243039)
飯田 彰 京都大学, 薬学部, 助教授 (40202816)
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キーワード | 三成分錯体 / リチウムエノラート / リチウムアミド / β-ラクタム / 触媒 / 不斉合成 / 有機銅 / 付加反応 |
研究概要 |
本年度から研究拠点を阪大産研から京大薬学部に移し、研究室創りに腐心した。院生の多くも転学し、スタッフにも恵まれたので今後の研究の高度化が大いに期待される。 2年度目の本研究では、有用有機金属反応剤の不斉触媒化、さらにその生体応答分子合成への応用展開を直接的な目的とした。即ち、新しい不斉反応化学の開拓を目指して汎用有機合成反応の不斉触媒化をこの数年の研究課題として設定し検討を重ねてきた。その過程で、汎用有機金属反応剤を用いる常識の壁を乗り越えた触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応を見つける幸運に恵まれた。この新しい分野はその化学的基礎への検討はもちろん、実際の有用生体応答分子の大量合成にも拡大可能であると信じている。 1汎用有機金属反応剤の触媒的不斉反応への組み込みを行うために、不斉配位子、反応系の効率化が重要である。キラルエーテルを配位子とするリチウムエノラートのイミンヘの触媒的不斉付加反応がラクタム環を高い不斉収率で与えることを見いだした。特筆すべきは、アキラルなリチウムアミドを添加した、キラル配位子-リチウムエノラートーリチウムアミドからなる三成分錯体が高い反応性と立体選択性を発現することを見出したことである。系中に共存する他の複合反応種に反応性が勝るので、触媒量のキラルエーテル配位子を用いてもこの三成分錯体から反応が進行しβ-ラクタムを良好な化学及び不斉収率で与えた。 2有機銅反応剤を不斉化する配位子としてのアミドホスフィンの優位性を確認すると共に不飽和カルボニル化合物へのグリニャ-ル反応剤の触媒的不斉共役付加反応を高レベル化した。
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