研究分担者 |
渡辺 徹 サンド製薬(株), 研究員
周東 智 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70241346)
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
奈良 敏文 北海道大学, 薬学部, 助手 (30241350)
宮内 正二 北海道大学, 薬学部, 講師 (30202352)
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研究概要 |
細胞の「輸送機能を利用して」組織移行率を上げようとするドラッグデリバリーシステムの開発がされているが、現状では十分とはいえない.リ-ド物質として比較的大きな分子を選べば,生体の輸送タンパクは本来の基質と見分けられないでそれを輸送するので,組織移行率が上昇するであろうとのアイデアで本研究を行なった. リゾリン脂質に種々の蛍光色素を結合させた物質を合成した.これらを合成した目的は,蛍光色素分子を投与したい薬物と見做し,かつ,蛍光を利用して動態を研究するためである.また,蛍光色素の荷電を中性(pyrene),プラス(rhodamine123),マイナス(fluorescein)とした.ラット腸管evert sackを用いて,これらの薬物の腸管吸収実験を行なった.プラスの荷電を持っているものがやや大きな透過性を示すようなデータが得られている.生体膜が負の荷電を持っているので,静電的相互作用が若干あるのではないかと推察された.しかし,細胞内に取り込まれた蛍光リゾ脂質がすべて,脂質輸送体を介したものかどうかを検討する必要があり(下記を参照),平成8年度はpharamaco-kineticsの検討を行なう必要がある. 生体膜そのものを使用する実験と平行して,平面脂質二分子膜のl-V曲線の解析から,種々の薬物の透過速度を解析した.これは受動輸送の速度を測定していることになる.このデータと腸管吸収のデータを比較検討し,輸送機能を介した取り込みの割合を推定する手段とする.
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