研究分担者 |
奈良 敏文 北海道大学, 薬学部, 助手 (30241350)
渡辺 徹 サンド製薬(株), 研究員
周東 智 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70241346)
宮内 正二 北海道大学, 薬学部, 講師 (30202352)
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
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研究概要 |
腸管におけるペプチドのトランスポーターを介して,アミノ-β-ラクタム抗生物質、モノカルボン酸型β-ラクタム抗生物質,ジカルボン酸型β-ラクタム抗生物質,甲状腺刺激ホルモン分泌ホルモン,レニン阻害薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬,ニューキノロン系抗菌薬等の種々の薬物が体内に取り込まれることが明らかになっている.これらの化合物はペプチドボンド以外に,比較的大きな構造をもつグループを含んでいる.したがって,ペプチド・トランスポーターを介するドラッグ・デリバリーは本研究に適していると考えられた.上記化合物の構造を検討した結果,Val-Lys, Val-Orn, Val-Tyr, Val-Cys, Val-Glyのダイペプタイドを基本構造(vehicle)とし,これに薬物を付加することとした.検出の容易さを考え,蛍光色素(FITC)を疑似薬物とした.細胞はモノレイヤーになったCaco2細胞,Sw620細胞を用いた. これらのダイペプチドにFITCを付加したものを合成した.これらの疑似薬物を含んだ化合物は,ザルコシンの透過を拮抗阻害した.その阻害定数はすべて10乃至30μMであり,強くトランスポータに認識されることが示された.しかし,残念なことに,これらの化合物,それ自信は透過しなかった.原因として,疑似薬物であるFITCが大きすぎることが考えられる.そこで,もう少し小さな蛍光色素(例えばNBD-CI)に変えた化合物を合成中である.
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