研究課題/領域番号 |
07557142
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加茂 直樹 北海道大学, 薬学部, 教授 (10001976)
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研究分担者 |
奈良 敏文 北海道大学, 薬学部, 助手 (30241350)
渡辺 徹 サンド製薬(株), 研究員
周東 智 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70241346)
宮内 正二 北海道大学, 薬学部, 講師 (30202352)
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ペプチドトランスポータ / 蛍光生輸送基質 / Caco-2 / メトキサレート / 多剤排出輸送体 / PEPT1 / 抗ガン剤 |
研究概要 |
比較的大きな分子サイズの基質を認識する輸送担体として、ペプチド輸送担体を取り上げた.ヒトの結腸ガン細胞由来の培養細胞であるCaco-2にはペプチド輸送担体としてPEPTIが発現している.この輸送担体は多様なアミノ酸配列のペプチドを効率よく取り込むための広い基質認識性を有している.そこで、細胞内での加水分解されにくいこと及び修飾に容易な反応基をもつという点を考慮し、Val-Lys-Sarを基本ペプチドとすることにした.細胞への取り込みの測定の容易さを考え、蛍光色素FITC(fluorescein isocyanate)およびcoumarin-3-carboxylic asidを上記のLysに付加することにした. この蛍光レポーター付きPEPTI基質のCaco-2細胞への取り込みを測定した.取り込み初速の濃度依存性を調べたところ、濃度に比例していた.PEPTIはH^+とのシンポーターであるので、脱共役剤であるCCCPによって取り込みは抑制される.実際、Lys-Sarは抑制が見られた.一方、本研究で合成した蛍光基質は、不思議なことに取り込み量が2〜3倍に増大した.文献ではCaco-2細胞には多剤排出輸送体が発現しているとの報告があるので、この排出輸送体によって排出されると考えた.この排出輸送体の基質であると考えられている薬物であるメトキサレートを共存下で蛍光基質の取り込み速度は有意に低下した.この発見を発展させれば、抗ガン剤の排出を止めることのできる薬物を合成できると考えられる.
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