研究課題/領域番号 |
07557144
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高橋 哲郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (90133769)
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研究分担者 |
辻本 和雄 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (50017414)
片岡 博尚 東北大学, 遺伝生態研究センター, 助教授 (30108568)
長村 俊彦 (株)ユニソク, 開発研究所, 所長(研究職)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | ニアフィールド光 / 走査型ニアフィールド光顕微鏡 / 植物細胞内カルシウム / Euglena / カルシウム感受性色素 / 葉緑体内カルシウム / 蛍光色素の細胞内注入 / calcium |
研究概要 |
蛍光励起のための光が影響を及ぼすような高度に光感受性の植物細胞内の遊離カルシウムイオン濃度を、被測定系を擾乱することなく測定することを目的として、微小量の蛍光色素溶液の注入とニアフィールド光の発生の両方が可能な微小マイクロぺピットを使用する走査型ニアフィールド光プローブ顕微鏡を設計し、試作した。 ニアフィールド光でカルシウムイオン感受性色素を励起することの利点は、1)測定のために使用する光が被測定系の擾乱とならい、2)高い空間分解能のため細胞質外へ色素が輸送・濃縮された場合でも妨げとならない、3)蛍光退色の問題が回避できる、など多く、実現すれば大きな実用性が期待できる技術である。また、アセトキシメチル誘導体などを用いた色素導入が困難な植物細胞に対しては特に有用な技術と考えられる。 プローブとしては市販の微小ピペットにイオンスパッタリングにより白金を薄くコートし、さらにその上にアルミニウムを真空蒸着して作製した。走査部として、試料台を圧電素子バイモルフで支持する機構を新規に設計・製作し、12μm×12μmという比較的大面積の走査を可能にした。作製したプローブを用いて1μm径の蛍光性ポリスチレンビーズの走査画像を得、ニアフィールド光プローブとしての機能を確認した。また、同じプローブを用いて微量蛍光色素の注入が行なえるか否かの評価を、試料台上の微量溶液に対して行なった。組み込まれた落射蛍光装置を用い、試料中の注入色素を蛍光法より定量したところ、1pl以下の注入が再現性よく行なえることがわかった。現時点ではニアフィールド光による溶液中の蛍光検出には感度の点に弱点がある。しかしながら作製したプローブを用いて1mM程度以下の蛍光色素溶液の蛍光検出には感度の点に弱点がある。しかしながら作製したプローブを用いて1mM程度以下の蛍光色素溶液の蛍光検出が可能であることがわかり、高遊離カルシウム濃度の細胞内小器官の遊離カルシウムイオン濃度の測定には充分に有効であることが示された。
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