研究課題/領域番号 |
07557148
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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研究分担者 |
倉石 泰 富山医薬大, 和漢薬研究所, 教授 (80111970)
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
上原 孝 北海道大学, 薬学部, 助手 (00261321)
村山 俊彦 北海道大学, 薬学部, 助手 (90174317)
徳光 幸子 北海道大学, 薬学部, 助教授 (60001046)
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キーワード | 記憶・学習 / 丹参 / lithospermic acid B / SAMP8系マウス / Moris's water maze / プロテインキナーゼC / [^3H]PDBu結合 / 空間認知機能改善作用 |
研究概要 |
記憶・学習障害を自然発症するSAMP8系に丹参のメタノール抽出物を3週間連続経口投与すると記憶・学習障害が改善されることを我々は見い出している。今回、丹参メタノール抽出物の記憶学習改善作用の活性成分を調べるために、丹参の主成分であるlithospermic acid Bの作用について雄性SAMP8系マウスを使用し、Moris's water mazeにより検討した。water maze実験終了後、記憶・学習機能に関与すると考えられている因子であるコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT活性、[^3H]QNB結合量(ムスカリン性受容体)、[^3H]MK-801結合量(NMDA受容体)、[^3H]N^G-nitroarginine結合量(NO合成酵素)、[^3H]phorbol-dibutylate(PDBu)結合量(プロテインキナーゼC)を測定した。その結果、生後4ヶ月齢のSAMP8系マウスにlithospermic acid B、500mg/kg/dayを3週間経口投与したところ、空間認知機能改善作用が認められた。さらに、海馬可溶性画分を用いた[^3H]PDBu結合量の増加がみられた。しかしながら、(1)water maze試験において丹参メタノール抽出物投与では遊泳速度に影響を及ぼさなかったのに対し、lithospermic acid B投与では有意に増加したこと、(2)丹参投与群とlithospermic acid B投与群とでは神経伝達物質に対する受容体数や種々の酵素量の変化は一致しなかったことから、丹参メタノール抽出物の空間認知機能改善作用にはlithospermic acid Bが一部関与しているものの、他の有効成分が存在している可能性があり、これについて検討中である。
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