研究課題/領域番号 |
07557151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長尾 拓 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30217971)
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研究分担者 |
野又 康博 栄研化学(株), 生物化学研究所, 主任研究員
黒瀬 等 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10183039)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 細胞内免疫 / モノクローナル抗体 / 一本鎖抗体 / Gタンパク質共役型受容体キナーゼ / サブタイプ特異性 / アデノウイルス / 脱感作 / Gタンパク質共役型受容体 |
研究概要 |
6種のGタンパク質共役型受容体キナーゼ(GRK)機能的な違いを解析するために、細胞内免疫法の確立を試みた。細胞内免疫法は、モノクローナル抗体を細胞内に発現させることによりなされる。はじめに、GRK2(βARK1)のカルボキシル末端とグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質を用いて、モノクローナル抗体を作製した。得られたモノクローナル抗体はβARK1のみを認識し、GRK3とGRK5およびGRK6を認識しないことがウェスタンブロットの結果から明らかとなった。ハイブリドーマの培養上清から、硫安沈殿、プロテインGカラムにより精製したモノクローナル抗体はβARK1のbasalおよびアゴニスト刺激のリン酸化活性を抑制した。モノクローナル抗体は三量体Gタンパク質のβγサブユニットのカルボキシ末端への結合も抑制した。βARK1のカルボキシ末端とGSTとの融合タンパク質がβARK1を活性化することから、モノクローナル抗体はカルボキシ末端に結合することでβARK1の活性化を抑制していることが分かった。また、心筋細胞にモノクローナル抗体を注入し内在性のβARK1を不活化することにより、β1アドレナリン受容体によるL型Ca^<2+>チャネルの活性調節にβARK1が関与していることを示した。一本鎖抗体を作製するために、ハイブリドーマのmRNAより重鎖と軽鎖の可変領域をPCRにより増幅した。大腸菌に発現させた一本鎖抗体はβARK1を認識した。さらにリコビナントのアデノウイルスを作製するために、一本鎖抗体のcDNAをコスミドベクターに導入した。我々は、一本鎖抗体のアデノウイルスによる発現が種々のGタンパク質共役型受容体の脱感作におけるβARK1の役割を明らかにすると考えている。
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