研究課題/領域番号 |
07557162
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
大村 智 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 所長 (90050426)
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研究分担者 |
新井 洋由 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (40167987)
増間 碌郎 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 室長 (90219353)
森川 裕子 社団法人北里研究所, 基礎研究所, 室長 (20191017)
猪腰 淳嗣 北里大学, 薬学部, 講師 (30151640)
供田 洋 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 副所長 (70164043)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ミリストイル化 / ファルネシル化 / HIV Gag蛋白質 / トリアクシン / アシルCoA合成酵素 / 阻害剤 / Ras蛋白質 / アンドラスチン |
研究概要 |
免疫不全ウィルス(HIV)のGag蛋白質は、そのN末端グリシン残基がミリストイル基でアシル化されており、ウィルス粒子の出芽に重要な働きをしている。アシルCoA合成酵素阻害剤トリアクシンを利用し、そのアシル化Gag蛋白質の生成量を段階的に調節すると、HIV Gag粒子の細胞外への出芽・放出はトリアクシンによってGag蛋白質のミリストイル化がほぼ完全に阻害されてはじめて阻害されることを見いだした。Gag蛋白質は細胞質で多量体を形成しその一部がミリストイル化されていれば形質膜へ送達され出芽・方出が起こるが、完全にミリストイル化が阻害されるとたとえ多量体を形成できたとしても形質膜へ送達されなくなると推定された。このGag蛋白質ミリストイル化の過程は抗エイズ薬開発の新しい薬剤標的と考え、その阻害剤をスクリーニングできる効率的な方法を開発中である。 癌遺伝子産物Ras蛋白質は、翻訳後ファルネシルトランスフェラーゼ(PFTase)によるシステイン残基へのファルネシル基の付加が以降の修飾の進行と機能発現に必須であることから、この過程は抗癌剤開発の標的と考えられる。接合型酵母を利用しファルネシル化反応を測定する評価系を構築し、微生物代謝産物を対象にその阻害剤を探索した。いずれも糸状菌の培養液からandrastinと命名した4種の新規化合物とkurasoinと命名した2種の新規化合物を単離した。構造解析、生合成、立体構造や全合成研究を行った。ヒト細胞由来のPFTaseに対する阻害活性はIC_<50>で10-60μMであった。今後これら阻害剤が細胞レベルで蛋白質のファルネシル化を阻害するかどうか、また実際ras遺伝子によって惹起される発癌を抑制することができるかどうか今後の進展をはかりたい。
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