研究課題/領域番号 |
07557167
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松原 洋一 東北大学, 医学部, 助教授 (00209602)
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研究分担者 |
萩原 久 日立電子エンジニアリング, バイオ開発部門, 研究員
呉 繁夫 東北大学, 医学部, 助手 (10205221)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 遺伝子診断 / PCR / マススクリーニング / 糖原病 |
研究概要 |
本研究の目的は汎用性をもち、大量の検体処理能力を有する遺伝子変異検出システムの開発を行ない、それを用いた遺伝子診断によるマススクリーニング法を確立することであった。当初、遺伝子変異検出には、ミニ・シークエンス法とELISAによる検出を組み合わせたものを用い、呈色反応によって判定を行なう予定であった。しかしながら、研究進行中に蛍光色素を用いた新しいPCR産物定量法が報告されたため、この手法を取り入れてさらに新しい遺伝子変異検出方法を考案した。この手法を、Fluorogenic allele specific amplification(FASA)法と命名した。本法では、遺伝子変異の有無の判定にいたるまで、その全過程を96穴マイクロタイタ-プレートのフォーマットで行なうことができ、大量検体の自動処理が可能である。一方、このシステムを応用するにふさわしい先天性代謝異常症の遺伝子変異として、日本人糖原病Ia型症例にきわめて頻度の高い遺伝子変異g727tを同定することができた。このg727tに対してFASA法を用いたところ、容易にホモ接合子、ヘテロ接合子、正常の鑑別を行うことができた。糖原病Ia型では、小児期に低血糖などの症状を示さずに経過し、成人後に腎不全や肝癌で発見される症例が相次いで報告されており、早期発見、早期治療がきわめて重要であると思われる。今後、本研究で開発された遺伝子診断システムを用いることによって、糖原病Ia型のマススクリーニングを施行することが可能である。また、他の遺伝性疾患に対してもこの汎用遺伝子診断システムは有用と考えられる。
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