研究課題/領域番号 |
07557170
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石井 邦明 東北大学, 医学部, 講師 (10184459)
|
研究分担者 |
布木 和夫 東北大学, 医学部, 講師 (10172743)
平 則夫 (文部省)学位授与機構, 教授 (60004553)
|
キーワード | 抗不整脈薬 / K^+チャンネルクローン / 内向き整流 / サブユニット |
研究概要 |
1.ウサギの心筋よりクローニングした内向き整流性Kチャンネル(RBHIK1)に対する、各種抗不整脈薬の影響についてはポジティブな結果は得られていない。しかし、卵母細胞に発現させたこのKチャンネルの単一電流の記録には成功したため、さらに詳細な検討が可能になると思われる。 2.これまでの検討では、ラット心筋のKチャンネル(Kv1.2、Kv1.4)に対して各種抗不整脈薬はあまり影響しないという結果であったため、電気生理学的研究により広く用いられ、その性質が良く知られているウサギの心筋からKチャンネルをクローニングしたが、得られたものはKv1.5であった。そのKv1.5電流に対する第3群抗不整脈薬、d-sotalol、E-4031、MS-551の影響を検討したところ、E-4031、MS-551は1mMで10%程度Kv1.5電流を抑制したが、ネイティブなK電流に対する作用と比較するとこれが生理学的に意味があるとは考えにくい。 3.薬物感受性に影響を与えるような分子をクローニングするために蛋白分子同士の相互作用の検出に広く用いられている酵母のTwo Hybrid Systemが利用できるかどうか検討した。具体的には、まず、機能上はβ1サブユニットと相互作用することが分かっているKv1.2、Kv1.4、Kv1.5の細胞質内領域を適当なベクターにサブクローニングし、それらとβ1サブユニットを同時に酵母に導入することによってお互いの相互作用を検討した。これまでのところ相互作用を示すレポータ遺伝子の活性がはっきりとは認められていないが、この酵母の系についてはさらに検討する予定である。 4.最近QT延長症候群の原因遺伝子として注目を集めているHergの産物はKチャンネルであるが、今後、ヒトの心臓からRT-PCRによってこのKチャンネルを単離し、それに対する抗不整脈薬の影響を検討する予定である。
|