研究課題/領域番号 |
07557173
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中谷 晴昭 千葉大学, 医学部, 教授 (60113594)
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研究分担者 |
薮内 洋一 大塚製薬株式会社, 徳島研究所, 所長
橋本 敬太郎 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10004665)
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キーワード | 心臓 / 不整脈 / モルモット / 伸展誘発性Cl^-電流 / cAMP誘発性Cl^-電流 / 心不全 / イヌ |
研究概要 |
平成7年度の研究において、低浸透圧液で心筋細胞を膨化させた時出現する伸展誘発性Cl^-電流(I_<Cl.sewlling>)に対するP糖蛋白(MDR)抑制薬の作用を検討したが、明らかな影響が認められなかった。そこで、平成8年度は、薮内(大塚製薬)がキノリノン骨格を持つ非常に多くの薬物を合成し、そのCl^-電流に対する作用を中谷(千葉大学)がパッチクランプ法を用い検討した。構造活性連関を元に薬物を選択してモルモット単離心筋細胞においてスクリーニングを行ったが、その中で薬物単独でCl^-電流を活性化する薬物、イソプロテレノールで活性化したCl^-電流(I_<Cl.cAMP>)を活性化あるいは、抑制する薬物、I_<Cl.sewlling>を活性化あるいは抑制する薬物をそれぞれ複数個見出した。現在はその実験成績を確固たるものとすると共に、その中で最も強力であり、また選択性を持った薬物を選択中である。また、橋本(山梨医大)は心室高頻度刺激心不全モデルを作製し、不整脈との関連性について検討した。すなわちビ-グル犬において毎分260回の頻度で右室ペーシングを行うと、2週間後には左室拡張期圧の上昇等の心不全が認められ心電図においてQTc時間の延長を認めた。プログラム電気刺激による不整脈誘発性については心不全犬と正常犬では差がなかったが、左冠状動脈前下行枝の結紮および再灌流を行った所、正常犬においては8例中2例のみで再灌流性心室細動が発生したが、心不全犬では7例全例で心室細動が発生して死亡した。この様に心不全犬では虚血・再灌流不整脈時の不整脈発現性が増強している事が明らかとなった。
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