研究課題/領域番号 |
07557175
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
牛首 文隆 京都大学, 医学研究科, 講師 (50243035)
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研究分担者 |
吉田 進昭 大阪府母子センター研究所, 部長(研究職)
平田 雅一 京都大学, 医学研究科, 助手 (40261143)
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キーワード | プロスタグランジン / トロンボキサン / 受容体 / 遺伝子ノックアウトマウス / ES細胞 / C57BL / 6 |
研究概要 |
1)プロスタノイド受容体欠損マウスの作出 マウスプロスタノイド受容体遺伝子のエクソン内にネオマイシン耐性遺伝子を組み込んだターゲティングベクターを1290la由来胚幹細胞(ES細胞)に導入し、相同組換えを起こしたES細胞クローンをPCRとサザンブロティングで同定した。C57BL/6マウス胚にES細胞クローンをマイクロインジェクション後、擬妊娠ICRの子宮にもどしてES細胞とC57BL/6のキメラマウスを作出した。このようにして、各遺伝子につき、少なくとも2つの独立したESクローンに由来するキメラマウスを得た。 キメラマウスをC57BL/6と交配し、F1マウスを得た。組換えalleleをもつF1ヘテロ接合体同士を交配し、生れたF2マウスにホモ接合体が存在することを確認した。 現在までに、8種類の全てのマウスプロスタノイド受容体の遺伝子組換えホモ接合体が得られた。 2)プロスタノイド受容体欠損C57BL/6congenicマウスの作出 遺伝的バックグラウンドを均一にする目的で、F1ヘテロ接合体をC57BL/6に戻し交配し、その仔のヘテロ接合体の戻し交配を繰り返して実施している。現在も交配が進んだものではN6マウスが得られている。 3)プロスタノイド受容体欠損マウスの解析 妊孕性の検討では全ての受容体欠損マウスにおいて、不妊を認めなかった。しかし、FP受容体欠損マウスでは分娩遅延があり、全ての仔は死産であった。また、EP4受容体欠損マウスでは、その仔はほとんど生後数日で死亡した。さらに、EP2受容体欠損マウスでは、出産仔数が少なく排卵あるいは着床の異常が疑われた。 現在、これらのマウスの炎症反応、発熱反応、痛覚過敏、免疫、腎・循環器、中枢神経系等の検討を進めており、一部のものでは興味ある知見が得られつつある。
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