研究課題/領域番号 |
07557177
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斎藤 康 千葉大学, 医学部, 教授 (50101358)
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研究分担者 |
山崎 裕之 興和株式会社, 東京研究所, 研究員
森 聖二郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50270848)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | LDL受容体 / 遺伝子ファミリー / クローニング / cDNA / アルツハイマー病 / アポE |
研究概要 |
本研究において、LDL受容体遺伝子ファミリーの生体における機能を明らかにするために、我々は分子生物学的手法を用いることにより、新たに脳に発現が集中している受容体、LR11(LDLR relative with 11 repeats)の分子同定に成功した。その構造解析から、LR11推定アミノ酸配列はこれまでのファミリー受容体群と異なった構造を有したモザイク蛋白であることを同定した。すなわち、LDL受容体ファミリー受容体群に共通する機能領域構造、すなわち、リガンド結合領域、EGF前駆体相同領域およびインターナリゼーションシグナルを有する細胞内領域に加え、神経接着因子N-CAM、L1と高い類似性を示す領域、さらに酵母vacuolar protein sortingの受容体と強い類似性を有する領域を含むことを明らかにした。本受容体mRNAは、主に脳、肝臓、副腎および精巣に認められ、さらにcDNA発現系を用いた発現機能解析から、本受容体蛋白は他のファミリー受容体同様、アポEリッチリポ蛋白と結合した。また、特異抗体によりLR11は、脳内では海馬、歯状回、大脳皮質に主に存在し、約250kDaの蛋白質として翻訳されることが明らかになった。これらの発現部位は、他のアポE結合受容体、VLDL受容体、アポE受容体2と一致し、本受容体が、記憶形成機構および神経再生、さらにアポEフェノタイプと疫学的に発症が相関することが報告されているアルツハイマー病の病態解明に関与している可能性が考えられた。加えて、新奇なモザイク蛋白質受容体LR11の発見は、その機能多様性のために生理的意義が不明である他のLDL受容体遺伝子ファミリーの受容体機能の解明に貢献すると考えられる。
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