研究課題/領域番号 |
07557190
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
古山 富士弥 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00080101)
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研究分担者 |
黒島 晨汎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90002774)
紫藤 治 金沢大学, 医学部, 助教授 (40175386)
八幡 剛浩 市立名寄短期大学, 看護学科, 教授 (60041828)
田中 越郎 東海大学, 医学部, 講師 (80211366)
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キーワード | the FOK rat / genotypic heat adaptation / heat loss / β-adrenergic receptor / heat resistance / cold resistance / body temperature regulation / brown adipose tissue |
研究概要 |
高温環境での生存時間が長いことを基準にした実験的選抜によって確立された近交系FOKラットは、遺伝的に高温環境に適応している。我々は、このFOKラットの実験動物としての用途を拡大する目的でもって、FOKラットの遺伝的高温適応以外の多様な特性を探している。 1、高温環境下で蒸発性熱放散をになう顎下腺は混合腺であるが、FOKラットでは他のラットよりも粘液細胞/漿液細胞比が高かった。 2、FOKラットの褐色脂肪組織の熱産生は、非刺激時には他のラットと差がないが、β-adrenergic agonist刺激時には他のラットよりも有為に低下している。 3、FOKラットは、急性寒冷暴露時の熱産生および血中グリセロールと遊離脂肪酸の増加度がほかのラットよりもおおきい。この事は、FOKラットは遺伝的高温適応を特性とする近交系ラットであるにもかかわらず、急性寒冷暴露時に非ふるえ熱産生が高進していることをしめしている。 4、whole body calorimeterで測定したところ、FOKラットでは、冷涼刺激にたいする熱産生増加反応閾値の低下、および温刺激にたいする血管拡張反応による熱放散の閾値低下が見られる。 5、FOKラットの褐色脂肪組織では、他のラットよりもトリグリセリド含量は低く、リン資質含量は高かった。リン資質を構成する脂肪酸のなかでは、とくにドコサヘキサエン酸が高かった。ドコサヘキサエン酸の増加は寒冷適応の特徴である。
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