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1997 年度 実績報告書

高温耐性を指標に選抜育成した近交系FOKラットの用途拡大のための多角的特性研究

研究課題

研究課題/領域番号 07557190
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

古山 富士弥  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00080101)

研究分担者 八幡 剛浩  市立名寄短期大学, 看護学科, 教授 (60041828)
黒島 晨汎  旭川医科大学, 医学部, 教授 (90002774)
田中 越郎  東海大学, 医学部, 講師 (80211366)
紫藤 治  金沢大学, 医学部, 助教授 (40175386)
キーワードFOK rat,inbred / Body Temperature Regulations / Salivation / Heat Adaptation / Cold Resistance / Superior Salivatory Nucleus / Submandibular Gland / Brown Adipose Tissue
研究概要

目的 FOKラットの特性を多角的に研究し、実験モデル動物としての広範な有用性を検討することがこの研究の目的であった。FOKラットは、もともと急性の高温暴露に対して遺伝的に耐性適応させた動物である。もしも高温耐性適応以外にも何らかの特徴ある先天的特性が発見されれば、それ自体有用な実験モデルであるし、その特性と高温耐性適応との生理学的メカニズムの関連性の研究にも貢献することが出来る。
結果 1:FOKラットは、広い高環境温度域で体温が平衡化する。そのメカニズムは、現在研究中である。2:FOKラットの顎下腺は他系統よりも大きく、(例数は少ないが)高体温でもwater channnelが機能するらしい。3:中性温度域では、FOKラットの体温調節反応閾値および選択環境温度ともに低く、体温も低い傾向にある。4:FOKラットの褐色脂肪組織は、37.0℃でも39.9℃でも他系統のラットのように低濃度(10^<-9>M)のβアゴニストで熱産生が促進されることはない。5:FOKラットは、何と寒冷耐性であった。FOKラットは、寒冷環境で酸素消費が非常に高進する。寒冷ふるえは発達しておらず、褐色脂肪組織の血液流量が著しく増加している。6:FOKラットは体温40℃附近で体温が一定になることが多く、体温40℃以上では急激に唾液塗布が高進する。これは、他の系統ではみられない反応である。
残った課題 1:全身の臓器サイズを、現在測定中である。2:FOKラットの飢餓やストレスに対する反応の特徴は、現在研究中である。3。FOKラットでは、なぜ40℃に体温が安定しやすく、なぜ40℃以上では唾液塗布が高進するのか?
結論 FOKラットは、先天的に高温耐性でありながら寒冷耐性であり、かつ中性温度域でも体温を低く設定している等興味ある特性を発現しており、現在研究中のその他の機能にも特徴ある特性を有する可能性が期待でき、生理学研究の有用なモデルとなる可能性が高い。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 古山富士弥: "Differences in thermal salivation between the FOK rat Ca model of genotypic heat adaptation and three other rat strains" Physiol.& Behav.(in press).

  • [文献書誌] 古山富士弥: "Heat resistance and heredity of the FOK rat." Ann.New York Acad.Sci.813. 640-643 (1977)

  • [文献書誌] 紫藤 治: "Thermoellector thresholds and preferred ambient tempearture of the FOK rat." Amer.J.Physiol.(in press).

  • [文献書誌] 田中 越郎: "Heat prodyction by brown adipocytes of the FOK rats genetically resistant to a hot environment" J.Vet.Med.Sci.59. 1157-1159 (1997)

  • [文献書誌] 紫藤 治: "Preferred ambient temperature and threshold temperatures for thermoregulation in the FOK rat." Ann.New York Acad.Sci.813. 652-653 (1997)

  • [文献書誌] 杉本 直俊: "Heat loss responses to acute loads in the FOK rats" Ann.New York Acad.Sci.813. 644-645 (1997)

  • [文献書誌] 古山富士弥: "A pronounced upper equilibrium point during hyperthermine in rats.In:Thermal Physiology 1997" The August krogh Institute,Copenhagen, 4 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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