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1995 年度 実績報告書

分裂酵母を生きた試験官として使用し動物細胞の高次制御機構を解析する方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07557196
研究種目

試験研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

岡山 博人  東京大学, 医学部(医), 教授 (40111950)

研究分担者 村上 浩士  東京大学, 医学部(医), 助手 (80262020)
神野 茂樹  東京大学, 医学部(医), 助手 (10251224)
永田 昭久  東京大学, 医学部(医), 講師 (50155933)
キーワード分裂酵母 / 異種生物間遺伝子相補クローニング / iF2α / 細胞周期 / Res2 / S期開始 / 蛋白質リン酸化酵素
研究概要

細胞の増殖と分化の調節機構を一つのモデルとして取り上げ、動物細胞の制御機構の解明に向けて異種生物間遺伝子相補クローニングとそのための変異宿主作り、並びに分裂酵母の制御系の解明する進めている.今年度は、以下に述べる成果を得た.
1、G2期進行の制御に欠損のある分裂酵母変異株を機能相補する遺伝子としてヒト線維芽細胞cDNAバンクからWoslと名付けた新しいcDNAを単離した.この遺伝子からスプライシングの違いによって2種のmRNA(Wosl-A,Wosl-B)が作られる。いずれも、酵母のG2変異株を相補できる.Woslの発現は、細胞周期のG1期とS-G2期で起こる.Wosl-A,Wosl-B共に蛋白リン酸化酵素をコードする.Wosl-Bは、これまで知られたいるHRIと同一で、iF2αのリン酸化能を有するが、Wosl-Aにはこのような活性はない.
2、同様のスクリーニングでWosl-Aと構造的にも機能的にも類似している分裂酵母のホモログ遺伝子の単離に成功した.この遺伝子の破壊株は、通常の増殖は野生株と変わりないが、熱ショックで増殖停止が起きないことが判明した.ホモログ遺伝子の発現が熱ショックによって一過性に誘導されることから、この遺伝子は、熱ショックによる細胞周期停止に重要な役割を果たしている因子であると考えられる.Wosl-Aの機能を解明するうえで極めて重要な手掛かりが得られたものと考えられる.
3:分裂酵母の細胞周期開始に重要な役割を果たしている新しい因子を見いだした.Rep2と名付けたこの因子は、これまでに見いだしたRes2転写因子の活性化サブユニットであることが判明し、細胞周期の開始制御に極めて重要な役割を果たしていることが分かった.さらに、rep2遺伝子の破壊株を相補する2種類のヒトcDNAを単離した.現在これの遺伝子の構造と機能の解析を進めている.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Shimizu,M. et al.: "The G1/S boundary-specific enhancer of the rat cdc2 promoter." Mol. Cell. Biol.15. 2882-2892 (1995)

  • [文献書誌] Murakami. H et al.: "A kinase from fission yeast responsible for blocking mitosis in s phase." Nature. 374. 817-819 (1995)

  • [文献書誌] Terada, Y. et al.: "Requirement for tvrosine phosphorylation of cdk4 in G1-arrest induced by ultraviolet irradiation." Nature. 376. 358-362 (1995)

  • [文献書誌] Nakashima, N. et al.: "Fission yeast Rep2 is a putative transcriptional activator subunit for the cell cycle ‘start' function of Res2-Cdc10." EMBO J.14. 4794-4802 (1995)

  • [文献書誌] Bertolotti, R. et al.: "Liver fructose-1,6-bisphosphatase cDNA:trans-complementation of fission yeast and characterization of two human transcripts" Differentiation. 59. 51-60 (1995)

  • [文献書誌] Kato, T. Jr. et al.: "Stress Signal, mediated by a Hog1-like MAP kinase, controls sexual development in fission yeast." FEBS Let.378. 207-212 (1996)

  • [文献書誌] Okayama, H.: "Cell cycle control in fission yeast and mammals:Identification of new regulatory mechanisms" Adv. Cancer Res. (in press), (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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