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1997 年度 実績報告書

分裂酵母を生きた試験管として使用し動物細胞の高次制御機構を解析する方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07557196
研究機関東京大学

研究代表者

岡山 博人  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40111950)

研究分担者 神野 茂樹  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10251224)
永田 昭久  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50155933)
キーワード分化 / 増殖 / 分裂酵母 / stell / 接合 / RNA 結合蛋白
研究概要

分裂酵母を実験的に再構成する生きた試験管として使用する標的細胞機能として、特に分化の開始機構の解明に力を入れている。これまでに、三種類の新規分化制御因子を分裂酵母で同定し、哺乳動物の分化開始制御機構との類似性を指摘してきた。これらは、Cig2/Cyc17B型サイクリン、Phh1ストレスMAPキナーゼ、nrd1と名付けたRNA結合蛋白である。今年度は、nrd1の機能ホモログと考えられるヒト及びラットのRNA結合蛋白遺伝子(rod1)とrcd1と名付けた窒素源枯渇による分化誘導に必須な因子を単離した。rod1は、nrd1と同じく4つのRNA結合ドメインを持つ蛋白をコードし、分裂酵母で発現するとnrd1と区別が付かないほどよく似た活性を持ち分化を抑制する。巨核球に分化するヒト血球細胞に発現すると、発現量にほぼ依存して分化を抑制することがわかった。この遺伝子は、発生分化を通じていろいろな組織で発現するが、成熟ラットでは、とくに、脾臓、腎臓に発現が高い。したがつて、哺乳動物でも分化制御に係わっている因子と考えられる。
Rcd1は、窒素源枯渇によつて誘導される分化に必須である。解析の結果、分化開始に必須なSte11の転写に係る因子で最も注目すべき点は、この遺伝子の構造ホモログが、出芽酵母、線虫、植物、ヒトに存在する。アミノ酸レベルで比べると60%以上の割合で一致している。この二つの因子の同定により、さらに分裂酵母で見られる分化開始制御機構が広く高等生物まで進化的に保存されている可能性が高まったといえる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Murakami,H.et al.: "Cell cydle checkpoint control" Exp. & Mol.Med.29. 1-11 (1997)

  • [文献書誌] Hao,Z.et al.: "A zinc finger protein required for stsitinary phase viability in fission yeast." J.Cell Sci.110. 2557-2566 (1997)

  • [文献書誌] Yamaguchi,S.et al.: "A WD repeat protein controls differentiation and the cell cycle by negatively regulating Cdc2/B-type cyclin complexs." Mol.Biol.Cell. 8. 2475-2486 (1997)

  • [文献書誌] Okazaki,N.et al.: "Novel Factor Highly Coserved among Eukaryotes Controls Sexual Development in Fission Yeast." Mol.Cell.Biol.18. 887-895 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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