研究課題/領域番号 |
07557201
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森 正敬 熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)
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研究分担者 |
田代 秀敏 (株)国際試薬, 研究開発部, 研究員
渡津 吉史 (株)国際試薬, 研究開発部, 課長
藤山 重俊 熊本大学, 医学部, 助教授 (20109656)
後藤 知己 熊本大学, 医学部, 助手 (20264286)
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キーワード | オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ / 尿素サイクル / ミトコンドリア / 酵素免疫測定法 / 肝疾患 / 肝機能検査 |
研究概要 |
尿素サイクル酵素の酵素免疫測定法を開発することにより、極めて特異性の高い高感度の、かつ情報量の多い肝昨日検査法を開発できると期待される。カルバミルリン酸合成酵素I (CPSI)はオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(OCT)と同様に肝細胞のミトコンドリアマトリックスに存在する。CPSIはサブユニット分子量が160,000と極めて大きく、また肝細胞での含量が極めて高い(全タンパク質の2〜5%を占める)という大きな特徴を持つ。さらに肝葉での分布が一様ではなく、胆管側に多く中心静脈に少ない。これらの特徴から、血清CPSIは種々の肝疾患においてユニークな変動を示す可能性がある。そこでまずラットCPSIに対する抗体を作成し、ELISAを開発した。検出限界はアッセイ当たり約2ngであった。 ラットにガラクトサミンを投与して急性肝炎モデルを作成した。血清CPSIはガラクトサミン投与12時間から上昇し、24時間で最大値に達し(約130μg/ml血液)、その後徐々に低下し、72時間では対照値にまで低下した。一方ALT活性は少し遅れて上昇し、36時間で最大値に達し、その後ゆっくり低下した。以上の結果より、強制肝炎モデルにおいて大量のCPSIが速やかに血中に漏出し、速やかに血中より消失することが明らかになった。
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