研究課題/領域番号 |
07557203
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
皆川 知紀 北海道大学, 医学部, 教授 (40001903)
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研究分担者 |
佐藤 雄一郎 東レ基礎研究所, 創薬第二研究室, 主任研究員
佐藤 直樹 北海道大学, 医学部・付属病院, 助教授 (70205946)
石渡 賢治 北海道大学, 医学部, 助手 (00241307)
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キーワード | エキノコックス / エキノコックス症 / 多包虫症 / サイトカイン / 肝臓 / IL-6 / TNF-α / IFN-γ |
研究概要 |
1.エキノコックス症患者の摘出肝におけるサイトカインの力価の測定 (1)サイトカインの測定にはsandwichELISAを利用した。TNF-αおよびIFN-γについは当教室で確立した。検出限界はTNF-αでは0.1units/ml、IFN-γでは0.5units/mlであった。IL-6の測定にはhuman IL-6 ELISA Kit(TORAY-FUJI BIONICS,INC.)を用いた。このキットの検出限界は10pg/mlであった。 (2)検体は、エキノコックス症の肝部分切除術適応例について、摘出された肝臓である。 (3)肝臓におけるエキノコックスの病巣は、肉眼的に正常部位と明瞭に区別される。そこで、摘出肝を肉眼的に正常部、病巣周囲部および病巣部に分け、各々の部位におけるサイトカインの値を測定した。 (4)22例中測定を終了した10例では、TNF-αおよびIL-6は病巣部あるいは病巣周囲部で高値を示す傾向にあった。一方、IFN-γは正常部で病巣関連部に比較して高値を示す傾向が見られた。 (5)IL-6は開腹直後の肝組織で検出感度以下であったが、閉腹時には血中IL-6と平行して上昇し、急性期蛋白としての動態を示した。 2.エキノコックス症患者の摘出肝におけるサイトカインのmRNAの検出 1-(3)で分割した組織におけるIFN-γのmRNAの検出を行った。力価の測定結果にほぼ一致して肝の正常部位においてmRNAが検出された。他のサイトカインについては検討中である。 3.摘出肝の組織学的検索 摘出した肝の組織学的観察を行った。病巣隣接部の肝細胞に形態学的な変化は観察されなかった。正常部においても著変は認めなかったが、クッパー細胞あるいはlining cellsに増加傾向が見られた。免疫組織学的に検討を加える予定である。
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